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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【D灰】 災厄の使徒 ( No.2 )
- 日時: 2010/12/04 12:02
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://名前を呼ぶのが面倒でしたら涼原でも夏目でも略して下さい
† プロローグ †
——————嫌だ! 一族にはならない!!
体を打ち付ける程の激しい雨と何もかもを覆いそうな黒色の空の下、少年は叫んだ。
暗闇で少年の表情は良く見えなかったが、必死で叫んでいる事だけは良く分かる。
そしてそんな少年の下へ一歩、また一歩と一つの人影が近づいてきた。
少年よりも小さな、恐らく少年であろうその人影は静かに呟く。
——————兄さん……どうして行ってしまうの?
これまた表情こそ見えなかったが声は悲痛で切なく、何かに悲しんでいる事が分かった。
しかし少年はそんな小さな少年の声を無視するかのように後ろを振り向いて、走り去ろうとする。
小さな少年は少年の腕をがっしりと掴んだが、少年はそれを振り払い走り去った。
——————俺は……俺は悪魔じゃない!!
——————兄さんは悪魔だよ。僕らと同じだよ……
二つの声が、重なった。
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