二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ボカロ小説】僕とリンの音楽戦争【オリキャラ募集】 ( No.8 )
- 日時: 2011/03/25 11:18
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: Lf/lO.ZE)
第一話
「なぁ、リン」
「何? マスター」
「某ぽぽぽぽーんCMとか、曲に取り入れようと思うけど、どう思う?」
僕がそう聞くと、リンはムッと眉間にしわを寄せた。
俺は無表情だ。リンとは対照的な顔。
ふざけているんじゃない。本気なんだ。
俺の家族があのCMに洗脳されて、CMの終わりに『ぽぽぽぽーん』って歌ってるんだよ。
その怒りを君の歌にぶつける。君は歌えるし、俺は歌が作れるし一石二鳥だ。
「……そういやぁ、アリスさんはどうしたんだろ。今日はお菓子いっぱい作ったから、押し付けようと思ったんだけど」
押し付ける。とハッキリといったから、リンが眉を一層深く寄せる。
俺はプリンとかクッキーとか、簡単にできるお菓子を量産する。
だって、いっぱい作れるんだもの。いっぱい作っといておいた方がいいでしょ?
今回も、焼きプリンいっぱい作ったよ。リンにも食べてもらったけど……それでも余った。
あごに手をあて『うぅむ』とうなっていると、家の呼び鈴が物すごい勢いで押されてることに気がついた。
おい、一回押した後に間髪いれずに呼び鈴押すのやめろよ。せめて五秒おいてから押せよ! 壊れるっ!
これで家族がいたら、今頃このピンポン野郎殴られてる。きっとそう。
俺はそう思いながらもドタドタと階段を下り、ドアを勢いよく開けた。
「はい、なに!?」
「マスターを知らぬか!?」
俺のソプラノ気味の叫びと、男性の心地よい低音が重なった。
『こんなハーモニーいらねぇよ』と、僕は吐き捨てるように言って、ピンポン野郎こと、亜理子さんのがくぽを睨みつけた。
亜理子さん。俺の友人。ほら、俺が今プリンを押しつけようとしてる人。
愛称が『アリス』さんだから、俺はアリスさん。って呼んでるよ。
「……てめぇ、何の用だ?」
「マスターを知らぬか!?」
「知らねぇよ。あんたは知らねぇのかよ。あんたの主人だろ、あの人」
連続ピンポンに不機嫌だった俺は、そう答えてがくぽを睨みつける。
がくぽは首を横に振り、小さく舌打ちをした。
あの人、また逃げ出したのか。一体何回俺達に探させれば気が済むんだ。
アリスさん、逃走癖持ちの友人。少しでも目ぇ離せば、ルパンのごとく速足で逃げだす。
……一体、どこいったんだよ、あの人は!