二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 異世界の危機 〜参照600突破!?〜 ( No.105 )
- 日時: 2011/04/23 19:52
- 名前: 桜花火 (ID: /HyWNmZ0)
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32 呪われた過去
夏「私は、ある氷の国で生まれたの……」
そういうと、夏未は自分の過去の事を暗い表情で話し始めた。
〜氷の国(十四年前)〜
男1「女王様が女の子を生んだそうだぞ!」
女1「それはそれは、かわいい子なんでしょうね」
女2「将来はこの国の姫になられるお方……」
十四年前、夏未は氷の国、スノー国で、女王様と王様の娘として生まれた。
つまり、この国の姫となる赤子だった。
この国の人々は皆、澄んだ水色の瞳、そして、淡い銀色に輝く髪を持っていた。
しかし、成長するにつれて、夏未の目は赤い炎の灯るような瞳に、髪は赤茶色。
当然ながら、この国ではありえないことだった。
女1「夏未様はこの国の人ではないはず」
男1「しかし、王はその出産に立ち会っているぞ?」
女2「女王様も、このような子を産んでしまって、さぞ、悲しまれていました。なんて、不幸なんでしょう……」
夏未が生まれた後。
国の女王と王は病で倒れ、新たな王が任命された。
その後、国には謎の病がはやった。
何人ものひとが次々に倒れていく。
この国の人々は、この事を全て夏未が生まれてきた原因だと話した。
男3「あの女の子が生まれてから、俺の家族が全員死んだよ…」
女4「国の女王様も亡くなられた…」
男4「聞いたか?あの女は氷の魔法は使えないらしい…」
女5「炎の魔法……あの子がいればこの国は滅んでしまう……」
男6「氷の国ではありえないことだ…『呪われている』んだよ、あの少女は……」
男7「あぁ、王が前に何か月も食事を与えていなかったのに、彼女はまだ生きている、すごい魔力の持ち主だよ……」
そして、時が流れた。
夏未は三歳となった。
しかし、町の人や城の兵士たちに偏見を受け、最後に王は大きな決断をした。
夏「………」
王「この少女を国の最下層の牢獄へ連れて行け、この少女を闇の中に葬り去るのだ……この少女がいなければすべてが救われる」
夏未は籠の中に入れられ、牢獄の中へ閉じ込められた。
彼女の心はもう冷えきっていた。
恐怖も寂しさもなかった。
なぜ、この牢獄の中に入れられているかさえも疑問に持たなかった。
そのまま、二年の月日が流れた—
突然、この牢獄の中に一人の女の人がいたのだ。
?「迎えにきたわ」
夏「……ここは、誰も来ないのに」
?「……人が来ないのは、貴方の国が滅びたからよ」
夏「えっ…?」
?「一年前に…でも、貴女はまだ希望があるわ」
夏「……もう、一人にならない?」
?「えぇ、ならないわ。私がいる」
すると、女は夏未は軽く抱きしめた。
夏未は女の人に抱き着いた後、涙をずっと流していた。
冷え切った夏未の心のかけらは、涙とともに流れていった。
夏「うっ、うっ、うわ〜ん」
女の人は夏未が泣きやむまで、頭を軽く撫でていた。
やがて、夏未が泣きやむと、女の人は彼女に問う。
?「貴女の名前は?」
夏「な、夏未……、貴女は?」
?「私は—
さぁ、行きましょう、自由を求めて……」
女の人は夏未を闇の牢獄から、救い出した。