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第１章　雷門中入学〜１年終了

　第１話　入学式の朝　４月８日(火)　午前９時２３分　雷門中校門前

　(シオンside)

校門前まで来た私は、ふと足を止める。そして、空を仰ぐ。
風に舞う桜の花弁はなびら。
「日本の入学式は、こんな風景なんだ……。」
ロンドンでの入学式は秋。その頃は、桜なんて咲いている訳ない。遅咲きの桜にしても、遅すぎだろう。
「ちょっと早いけれど、会場に入ろうかな？」
腕時計を確認。……入学式は、１０時からだったはずだ。
あと３７分あるからまだいいや、と心の中で呟き、１人で納得した。
でも、その間何していればいいのだろう……？
まだ見ぬ雷門サッカー部について、思考を巡らせることにしようか。
「待ってろよ、雷門サッカー部……！！！！！！」
「あ、君も、サッカー部入るの？」
いきなりの声に、私は驚く。そして、後ろをゆっくり向いた。
「……ごめん。俺、円堂守！よろしくな！」
「あぁ、私の名前はシオン・アルーシャ。もしくは、姫宮紫音。呼び方はどちらでも構わない。よろしくな、円堂。」
って、コイツ何なの？いきなりの癖に、狎れなれしい(なれなれしい)。
「じゃ、俺はシオン、って呼ぶからな。にしても、日本語上手いな。」
「小さい頃に、両方覚えさせられたんだ。英語と日本語。」
少しの嘘は、我慢してもらおう。
「じゃ、早く行こうぜ！」
「……お前に命令されるのは、癪だがな。」
……これが日本人、か……。