二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケットモンスター 来客 ( No.8 )
日時: 2012/03/07 21:23
名前: 雷燕 ◆bizc.dLEtA (ID: Ti.DGgQd)

 突然「トレーナーカードを作ってやる」などと言うので驚いたが、とりあえずこう返しておいた。どうせなら別人になってみたいので、この世界での名前を考えるための時間稼ぎだ。「親の許可は要らないんですか?」と聞いてみたいが、またこの話になったら困るのは自分なのでやめた。
 それよりも名前だ。「コトネ」や「ヒカリ」がいるから本名のような普通の和名でもおかしくはないだろうが、「レッド」「グリーン」「ブルー」がいるのだから、英名のような片仮名の名前でもいいのだろう。

「おかしな奴じゃのう……。『ユウキ』とかどうじゃ?」
「んー……正直微妙です。『レッド』とか凄く強くなれそうでいいですよね」
「ふざけとらんで本名は?」
 うーむ何がいいだろう。
「……レイア、です。リオは付きません」
「リオ?」
「あ、気にしないでください」
「変わった奴じゃのう……。生年月日とか顔写真とかもいるから、まあとにかくあがれ」

 オーキドがそう言うので、彼女は家へあがった。裸足で外を歩き回っていたわけだから、土足と変わりないのだが。
 中は何の変哲もない普通の民家だ。……などと思っていたら、奥の一部屋にたくさんの高性能な金属の塊があった。ポケモンを預けておくボックスやそのほかにも色々ポケモンの研究に使うものだろうか。

「こっちじゃ」
「あ、はい」

 そう言われて居間に入った。ただの居間。
 そこでジャージのまま顔写真を撮り、手持ちのことやこの世界の人のことなど、色々考えながらとりあえず言われるがまま待っていると、15分足らずでオーキドが戻ってきた。その手には一枚のカードが握られている。

「ほれ。トレーナーカードじゃ」

 そうして彼女は、『レイア』になった。実感は、ない。