二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 星のカービィ 運命の車輪 参照500突破!! ( No.183 )
日時: 2011/04/30 19:55
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
参照: .http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

第13章  暗黒の誓い(後編)


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奇跡はおきない。
だけど、
奇跡を願うことは、悪いことではない。
奇跡を望むことは、悪いことではない。


奇跡はおこらない。
でも、
奇跡をおこせる者は、願う者でも望む者でもない。

行動をおこす者だ。

〝自然〟で奇跡はおきない。

〝行動〟で奇跡はおこせる。


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運命の車輪についてのお話をしよう。

運命の車輪は、リップルスターのクリスタルと同じで、星の秩序や平和を支える意思のある秘宝。

ただ、秘宝にはそれぞれの能力がある。
クリスタルは、未来を見通す力。
運命の車輪は、運命を変える力。

運命を変える、すなわち願いをかなえる力。
望めば、宇宙すら我物になってしまうかもしれない。

だけど、それと同時に、ポップスターは滅んで、消滅してしまう。

それほど、強い力を持ち、壊れたら直せない繊細でできている。

運命の車輪を創ったのは誰だろうか。

それは、わからない。

自然に生まれたものかもしれないし。

誰かによって創られたのかもしれない。

カブーのもとで気が遠くなるなるくらいの長いあいだ、守られていた。

運命の車輪は、聖少女のような意思をもっていた。

もしかして、聖少女の魂が込められているのではないか、と仮説をたててもよいだろう。

本当なのかはわからない。






車輪は、未来を託してしまった。

本来ならば絶対に、生命に未来を託したりしない。

だけども、禁忌に近いそれを、車輪は託してしまった。

〝未来を変えて〟

星の運命を、託してしまった。



秘宝に愛され、星に愛され、宇宙に愛された




星の戦士、カービィに。





星の戦士は、純粋だった。
穢れ一つ持たず、平和を愛し、仲間を信じていた。
強き力を持ちながらも、慈悲深く、力を乱暴に振り回すこともなかった。



運命の車輪は、だからこそ、カービィ夢の中に魔法をかけた。

マルクにあわせたのは、お礼だったのかもしれない。



プププランド史上最悪の危機。









車輪は、ブロンテは、カービィに未来を変えてもらいたいと、心のない心で思っている。





だから━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Re: 星のカービィ 運命の車輪 参照500突破!! ( No.184 )
日時: 2011/04/30 20:41
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
参照: .http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode


「ん?」

ナックルジョーは、何かを察知したのか、プププランドメインストリートから、遠く離れたプププ湖の方角を見る。

プププ湖の周辺の上空が、やけに暗い。
もうじき日が暮れる、ということもあるのだろうが、あそこだけ暗いというのは不自然だ。

「…あっちも激戦ってことか…あいつ…ちっとは強くなっただろうな?
ボコボコに負けてる…なんてねえよな?」

ナックルジョー。
修業の旅で、宇宙を駆け回る、格闘家。
ショートレンジのプロフェッショナル。
数年前に、カービィがまだしゃべれなかった時代に、プププランドと少なからずかかわりをもった少年。

「はぁ〜…まったく。メタナイト卿も勝手だよなぁ。オレを突然呼び出すなんて…」

呆れるように言い放つ。
倒して山のように積み重なったチューリンたちの真上で。
どうやら、ナックルジョーが全員気絶させていたら、積み重なってしまったのだろう。
それからわかること、ナックルジョーは、強い。

「さてさて、オレの腕の見せ所はまだまだだぜ?巨大なネズミさん?」

しめしめと、鼻の下をこすりながら、自分の前方に、傷だらけのストロンがいる。
武骨な木槌は、少し削れてしまっている。
体の傷は、おそらく全てナックルジョーのつけた傷だろう。

「フーフー…おまえー…なかなかーやるなぁー…」

サングラスの中の表情が、楽しそうに笑う。

「なかなかじゃなくて、メッチャ!って言ってくれるとうれしいかぎりだぜ」

「ナックルジョーさん!油断は禁物ですよ!!」

後ろで疲れ果てた住民たちを、小さな体でかばうように立っているリボン。
可憐な妖精は、体力消耗が」激しかったのか、荒い息をはいている。

「バーロー。非戦闘員を戦わせるお前に言われたくないぜ?」

「み…みなさんが志願したんですもの!」

いいわけなのか、リボンはあたふたと言い返す。
非戦闘員、住民たちはフライパンやら、骨董品の剣などを持っている。
勇敢に戦っていたのだろう。

「さて、やろうか。お前も結構強そうだしさ、オレ手合せしたいぜ」

ナックルジョーの構え。
ファイターカービィの構えと、全く同じ。

「時間…なーい…団長の…邪魔…させない!」

ストロンが木槌を振りかぶる。

「団長?…まあよくわからないけど。いいか。ここでの戦いを、シリカに伝えたいし」








そのころ、



プププ湖では…。






Re: 星のカービィ 運命の車輪 参照500突破!! ( No.185 )
日時: 2011/05/01 09:06
名前: 満月の瞳 ◆zkm/uTCmMs (ID: A2bmpvWQ)
参照: .http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode

「…あれ?」

アドレーヌの涙声が、小さく響く。

「…なに…!?」

デデデの驚きの声が、大きく響く。


ダークドロッチェの一撃は、確実にカービィに当たり、確実にカービィの息の根を止めていただろう。

しかし、カービィは生きていた。
かわしたのではない。

技がでなかったからだ。



「…!」

カービィは、かわしきれないことをわかっていたので、観念するように瞳を閉じていた。

次に開いたときに、不可思議な光景を目にするだろう。

瞳を開いたとき…。

「え…!?」

カービィは、まず自分が、ダークドロッチェの技をくらってないことに驚く。
次に、地形に何も変化が起こっていないことに驚く。

そして、ダークドロッチェがトリプルスターで自分自身の左足を突き刺していることに、驚く。

「ナンダ!?コレハ…!!」

ダークドロッチェ自身が驚愕の声をあげている。

「マサカ…!〝ドロッチェ〟!?貴様…!!」

ゴゴゴ…と、地の底から死霊が這いずるような音。
少しずつ収まっていく。
暗黒物質がふりまかれていたのに、少しずつ止まっていく。
黒く変色していたからだが、元の色に戻り始めている。
深々と突き刺さったトリプルスター。
血がどくどくとあふれ出ている。
ダークドロッチェが引っこ抜こうと、腕を動かすが、ちっとも抜ける気配を見せない。

「クソ!オレノ術ヲ破ッタトイウノカ!?馬鹿ナ!!」

「術!?ドロッチェ!元に戻ろうとしてるの!?」

カービィは、叫ぶ。
ダークドロッチェではなく、〝ドロッチェ〟に叫ぶ。

「嘘ダロ!?精神ノ乗ッ取リハ完璧ダッタハズダ!何故ダ…!?」

明らかに困惑している口調。
予想外の出来事だったのだろう。

「グウウウウウウウ…!!」

ダークドロッチェがうめく。
元に戻ろうとする体に、術が耐えられないのだろうか。

「ドロッチェ!!」

カービィは、傷だらけの体を、無理やり動かす。
えぐれた足場を駆ける。
元に戻ろうとする、ドロッチェのもとに。


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危なかった。

なんとかセーフだったな。

今の技は、かなり、否、とっても危なかった。

こうでもしないと、止められなかった。

足に攻撃すれば、動けねえし、トリプルスターを振れなくすれば、止められるだろ?

痛みは感じなくとも、足が動おかなきゃどうしようもないだろ?

こっちは足が痛くてたまんねえけどな。

やっと抵抗できた。

術に締められて、発狂しそうだった。

体中が痛いし、体を勝手に使われるし、体を勝手にいじられるし。

暗黒物質ダークマターの力は結構堪えたぜ?

今だって気絶しそうで、やばい。

でも、あと少しくらいなら、なんとかなりそうだ。

スピンのぶん、倍返しにしないとな。

仲間を傷つけたのは、ゆるさない。

体乗っ取られることよりも、ゆるせない。

俺が守るって誓ったのに、逆に俺が傷つけてしまった。

最低だ。

力を求めてた俺が、力に飲み込まれてしまった。

本当にバカだ。

バカすぎて反吐がでる。

自分がいかに無力か思い知った。

でも、

こんな力はいらない。

仲間を傷つける力など、不必要だ。








俺が、守るって誓ったんだ。



だから、それを果たす。




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「クソオオオオオオオ!!!〝ドロッチェ〟エエエエエエ!!!」

ダークゼロの断末魔のような絶叫。

そして、〝ドロッチェ〟の体から、黒い煙のようなものがでていく。
あれが、本体だろう。