二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 大乱闘の裏 ( No.21 )
- 日時: 2011/05/18 20:49
- 名前: 無人 (ID: jKkloFvs)
台所。
そこにはエプロン姿のリンクとマリオが並んでいた。
全く微動だにせずスマイル顔で二人は直立していた。
やがて時計はまもなく夜の7時を告げようとした。
分を示す針が動いた。
「マリオと!」
「リンクの!」
「「七分二十三秒クッキ○グ〜!」」と、マリオがラジオのスイッチを押してあの曲の逆再生をしたような音楽が流れ始めた。
一方、居間では
ドンキー、サムス、フォックスがくつろいで床などに寝転がっていた。
「……あの二人で本当に大丈夫なのか?」
「まぁ不味かったらこの建物の横に変わった名所が増えるだけよ。」
ドンキーの不安とは真逆のサムス。
そしてテレビを見ながらフォックスが尋ねた。
「サムスの言う名所って何なんだ?」
「それは勿論……」
サムスが半笑いしながら答えた。
「墓地よ。」
その後、その場の空気が一段と寒くなったのは言うまでもなかった。
「マリオさん残り二分です!」
コック帽子をかぶったリンクが冷蔵庫の横についていたタイマーを見た。
だがマリオは焦らずに大きな鍋にキノコを大量に入れた。
リンクも味噌を足して切っていた玉ねぎなどを鍋に入れた。
「あぁ! 魚が!」
味噌汁を作り終えてほっと一息つくのもつかの間。
魚から黒の煙が立ち上っていた。
それを見たリンクはとっさに手にしていたお玉をスイッチに向かって投げつけた。
お玉は松明のように一回転しながらスイッチに命中し火が消えた。
「危な〜……」
ご飯をついでいた手を止め呟くマリオ。
その横で汗を拭うリンク。
「とりあえず持って行きましょうか………」
リンクの呟きに
「あぁ……そうだな……」
不安げに返事したマリオだった。
「あら! 意外と早かったじゃない!」
サムスは驚いた様子でマリオ達に歩み寄った。
マリオの顔からほんのわずかに冷や汗が浮かぶ。
やがてご飯という言葉にカービィとヨッシーが二階から駆け下りて来た。
そして丸テーブルを囲んだ八名に食事をマリオが回し準備は出来た。
- Re: 大乱闘の裏 ( No.22 )
- 日時: 2011/05/19 17:42
- 名前: 無人 (ID: jKkloFvs)
「「では……いただきます!!」」
ほぼ同時に
「「お代わり〜!」」
という声が響いた。
その響いた方向に顔を向けると……
何も無い皿の前でカービィとヨッシーが爪楊枝を使って歯をシーシーとしていた。
見るからにふてぶてしい。
「マリオさ〜ん。私がどれだけ食べるのかを知っていてこの量にしたんですか? ………お前を食べるぞ。」
「僕まだ食べれるんだけど〜! ……お代わり駄目だったなら貴様を食すが。」
お互い最後の言葉はマリオだけに聞こえるように耳元で呟いた。
と、残りの五人には聞こえなかったが、マリオから冷や汗が噴出し顔面蒼白と化しているのを見ると何となくマリオの置かれている状況が分かった。
マリオが慌てながら台所へ向かう中、居間ではカービィとヨッシーががっちりと握手を交わしていた。
結局カービィとヨッシーのせいで食料は三分の一へ減ってしまった。
これを見たサムスが誰かが食料を取って来る係を決めると提案した。
「フォックスさん引き受けてくれます? その銃便利そうなので。」
いきなりリンクがフォックスに指を向け提案した。
「それならお前の剣で動物を狩ればいいじゃないか!」
このままだと俺に決まる。
そう思ったフォックスはリンクに反論した。
「でもこの剣は退魔の剣と言いまして罪無き動物を斬るのはどうかと……」
リンクに対して再び反論をしようとしたがサムスがフォックスの頭に手を突きつけると結局渋々と引き受けた。
「で、残りの時間はどうします?」
「残りの時間か? うーん……特にやる事が無いし寝るか。」
「そうですね。明日の来訪者に備えてもう寝ましょう。」
その言葉を最後にリンクは個室へと入っていった。
残りのメンバーも次々と個室へと入って残りはマリオだけとなった。
彼は居間やキッチンの電気を消して部屋に入ろうとした。
ドアノブに手をかけたとき、暗く誰もいないはずの居間を見た。
彼は少しだけ笑い何か呟いた。
そして個室へと入った。
そして廊下にもキッチンにも居間にも誰一人として姿は見当たらなかった。
全員寝静まった真夜中。
闇に包まれ誰もいないはずの居間。
不意にテレビがついた。
勿論、誰もスイッチを押していない。
そんな中テレビはついた。
テレビに映っている白い手は自分が映っている鏡を見た。
何故かテレビに映っている白い手は動いていないが
鏡に映った白い手は動いた。
「よぅマスター。やっと全員集まったか、意外と大変だな。」
鏡の手がしゃべった。
「あぁ。だがとても賑やかだ、奴らを見ていて明るさを感じる。」
マスターと呼ばれた手もしゃべる。
「明るさねぇ……正直俺は楽しいと言うイメージが強かったな。」
テレビと鏡に映っている手が互いに話し合う。
「ははは、楽しさか……確かにそれもある。」
「だろマスター!やっぱり俺天才かなぁ?」
「それはいいとして……明日はあの四人が来る。」
「ああ、知っている。その為に部屋を増やさないとな。」
「あぁ、それとステージとアイテム紹介だな。私は奴らに出来る限りの歓迎をしてやりたい。」
「出来ればの話だがな。 ……さてそろそろ俺らも休むか……」
「あぁ……そうだな。」
そしてテレビの電源は消えた。
再び居間は闇に包まれた。
〜〜 第2話 完 〜〜