二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 未来を知る少女【世界編】 ( No.30 )
日時: 2011/05/15 00:21
名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)

第4話 「氷歌と玲名」


「つき……し……ろ?……ウ……ルビ……ダ……?」

円堂は驚いた様子で途切れ途切れに言葉を発した。目を丸くして、その目を氷歌に向けている。

「何でこんな遅くに……?もしかしてタイヤで練習?」

氷歌も驚いた様子だ。夜遅くに浜辺なんかに人がいるとは思わなかったらしく、目を少し丸くしている。

「え、あぁ、うん。秋から縄もらって……それで……」

少し落ち着いたようで、氷歌の質問にちゃんと答える。そんなとき、円堂はあることに気づいた。
二人はイナズマジャパンの、日本代表のジャージを着ている。青と白を使ったジャージ。肩のところには黄色を使って稲妻が描かれている。代表しか着られないジャージだ。

「何で……代表のジャージを?」

円堂は気になってそう聞いた。しかし氷歌は

「何でだろうね。」

と言って笑って、答えはしなかった。その笑顔は作り笑いのようだが、円堂にそれは分からないらしい。



「氷歌、時間だ。あの人のところに行かないと。」

玲名が淡々と氷歌に言った。

「ウルビダ……やっぱりウルビダだ……」

円堂は確かめるように玲名の顔をのぞいた。驚いたような顔でもあったが、何処か嬉しそうな顔でもあった。
玲名はそんな円堂を見て一瞬顔をしかめたが、すぐに元に戻し、円堂をじーっと見ている。

砂浜に沈黙が流れた。

優しく吹く潮風が氷歌と玲名の髪をふわりと靡かせる。夜空に揺らめく二人の対照的な、でも綺麗な髪。その髪は風が止むとともに舞うのを止めた。
少し乱れた髪を直す氷歌は、少し嬉しそうな顔をしている。玲名も髪を耳にかけ、円堂を見るのをやめていた。

「話はあとでね。円堂君も戻ろう。」

氷歌はそういて歩き出す。玲名もそれに続いて歩き出した。


「え!ちょっと待ってくれよ!」

円堂もそう言いながら二人の後を追った。