二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 未来を知る少女【世界編】 ( No.42 )
日時: 2011/05/20 19:19
名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)

第7話 「開会式」


「女子代表……」

円堂は驚きながらも、嬉しそうに笑った。その笑顔はいつもの円堂の、あの明るい笑顔だった。

「よろしくな!月城!八神!」

そして太陽のような笑顔を二人に向けて大きな声でそう言った。

その笑顔を見て、氷歌が微笑む。
本当の笑顔で、嬉しそうに、楽しそうに笑う。
玲名も嬉しそうに笑っていた。


























そしていよいよ開会式。


各国の代表が続々と入場している。
そして、ついにイナズマジャパンが入場してきた。

<<続いてはアジア地区代表のイナズマジャパンです!>>

マクスターランドの実況が観客の歓声のせいで少し聞き取りにくくなっている。それほど会場の熱気は凄いものだった。

<<イナズマジャパンは本選出場国の中で唯一、女子特別選抜を採用しています。その女子代表は残念ながら開会式には参加していないようですが活躍に期待したいですね。>>

マクスターランドが氷歌たち女子代表について少し話をした。しかしこの声も感性でかき消されている。
そんな大きな歓声が上がっている観客席に氷歌と玲名はいた。




「凄いものだな。」

玲名が感心したように辺りを見ながら言った。そんな玲名の声も掻き消されるほどの観客の声。二人とも会話をするのがやっとというくらいだ。

「まあ、世界大会だしね。開会式に参加できないのがちょっと残念。」

そう言う氷歌は円堂たちから目を離さなかった。親のような目で、嬉しそうな目で円堂たちを見つめ続ける氷歌の横顔が玲名には輝かしく見えた。

「おまえは本当にあいつらが好きだな。」

「玲名も嫌いじゃないでしょ?基山君とかさ。」

「……まあそうだが……」

玲名は答えにうそうにそう呟いた。氷歌の質問はいつも鋭い。答えにくい質問を顔色も変えずに、淡々と言うのだ。




「この大会は始まりだよ。彼ら、私たちの挑戦の始まり。」

氷歌が嬉しそうな顔で円堂たちを見つめていた。でもその顔からは何処か決意を感じられた。








氷歌は円堂たちの方を見ながら、あの決意の感じられる顔で小さく

「何もさせない……未来は変えてみせる。誰も傷つけさせない……!」

と呟いた。



氷歌はそう呟いた後、ふと目線を変えた。

その先にあったのはゲストルーム。スタジアムの中で唯一明かりのついていない暗い部屋だった。


「あんたの好きになんかさせないから。」



氷歌はまたそう呟いた。








そんな部屋の中にいたのは二人の男だった。

「いよいよ始まりますなぁ。ガルシルド様。」

一人の男はそう言った。もう一人の男の名はガルシルドと言うらしい。

「あぁ。この開会式は、私の計画の始まりの儀式でもあるのだからな。ヘンクタッカー君。」

立ち上がり、もう一人の男を見ながらそう言うガルシルド。その顔は自信に満ち溢れている。
そしてヘンクタッカーという名らしき男も嬉しそうに、自信にあふれた顔をしていた。