二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 未来を知る少女【世界編】 ( No.51 )
日時: 2011/05/21 16:14
名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)
参照: C:\Users\Public\Pictures\Sample Pictures\氷歌.png

第9話 「嫌な人」


円堂たちがサッカーをしているころ、鬼道たちはもうパーティー会場につき、それぞれがパーティーを楽しんでいた。
ただ、一人を除いて。


「月城……どうしたんだ?すっごい嫌そうだったけど……」

風丸が鬼道に聞いた。しかし、鬼道に聞いても分かるわけがない。

「分からない。あいつに会いたくないとは言っていたが誰のことかも分からないしな……」

鬼道は辺りを見渡した。しかし、辺りに氷歌の姿はなく、あるのは正装をした大人たちとイギリスの選手、そしてイナズマジャパンのメンバーだけだった。



「……少し探してくる。」

鬼道はそう言って皆のいるところから姿を消した。






その頃、氷歌はパーティー会場の奥、いや、パーティー会場と言っていいのかと言うほど奥にいた。



「もう嫌だ……」

氷歌はそう呟きながら椅子を見つけてそこに座り、辺りに咲く白い花をぼーっと見つめて、溜息をついた。



「ここにいたのか。」

後ろから聞いたことのある声が聞こえ、ゆっくりと振り返った。
そこにいたのは鬼道だった。

呆れたような顔をしている鬼道を、氷歌は何も言わずに見ている。
風が吹いた。優しいそよ風が氷歌の髪を宙に舞わせる。優しい色の髪が星空にとけるようだった。靡く髪を、氷歌がおさえる。髪が乱れるのを嫌がっているようだ。

そんな氷歌を見て、鬼道が少し笑った。


「何でこんなところにいるんだ。皆向こうで楽しんでるぞ。」

優しい声でそう言い、賑わっている会場の中心を見ていた。

「有人も楽しんでたんでしょ?何でわざわざこんなところに?」

氷歌は鬼道に質問をぶつけた。淡々としているが何処か優しい声。氷歌らしい声だ。


「おまえがいないから。みんな気にしてるしな。」

鬼道は淡々とそうかえした。氷歌に対抗するように淡々と。


「私は行かないよ。」

氷歌は唐突にそう呟いた。冷静な声。淡々と言うよりは呆れたような感じだ。何を言っても無駄だと言っているように聞こえる言い方をわざとしているのだ。鬼道はもちろんそれに気づいた。

「一体誰に会いたくないんだ?」

鬼道は不思議そうにそう聞いた。氷歌がわざと何を言っても無駄だと言う風な言い方をしたと言うのにそれを無視して聞いたのだ。

「聞かないでよ……」

当たり前の返事が返ってきた。聞いてほしくないのに質問をしてきたせい。

「気になるから聞いただけだ。」

鬼道は当たり前と言わんばかりにそう言った。その顔は楽しんでいるように笑みを浮かべていた。


「で、誰なんだ?」

鬼道は気を取り直してそう呟いた。

「……主催者。」

氷歌はそう小さく呟いた。下を向いて、嫌そうに。

「主催者ってイギリスのキャプテンだろう?」

「……うん。」

「と言うことは……」

鬼道は驚いた顔をした。何でだと言う驚きの表情をして氷歌を見ている。

「……エドガー……バルチナスか?」

恐る恐る、氷歌にそう尋ねた。