二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナイレ 未来を知る少女『世界編』【オリキャラ募集中!】 ( No.71 )
- 日時: 2011/05/31 23:50
- 名前: 海穹 ◆EZarcElGGo (ID: UruhQZnK)
第13話 「手合わせ」
「……3年前からは考えられないよ。今の君はね。」
エドガーは薄ら笑みを浮かべながら氷歌を見ていた。懐かしそうにそう語るエドガー。エドガーが笑みを向けている氷歌は作り笑いのままだ。
「私もこうなるとは思ってなかったよ。」
氷歌は作り笑いを止めない。普通の人から見れば、優しい、楽しそうな笑顔だろう。でも鬼道からみると、作り笑いだ。ほんの少ししか違わないが、鬼道と氷歌にとってはその少しは大きな違いなのだ。
「まあ、この話はまたゆっくりするとしよう。それよりも私は、君の後ろにいる円堂守と手合わせをしたいんだが。」
エドガーは笑みを円堂に向けた。
「へえ、イナズマジャパンに興味あるんだ。」
氷歌は面白がるように微笑んだ。
何処か冷たいその微笑み。作り笑いのような気もするし、本当に笑っている気もする。そんな微妙な笑顔。
「君がいるから、ね。」
エドガーも面白がるように笑った。
パーティー会場の奥にあるサッカーグラウンド。そこにイナズマジャパンとナイツオブクイーンのメンバーが集まっている。
グラウンドの中にいるのは円堂とエドガーの二人。フォームを着て対峙している。
「ルールは簡単、一本勝負、私は君に向かってシュートを打つそれを止められれば君の勝ち。」
エドガーはボールに足を置きながらそう言った。
その言葉を聞いて綱海が
「何が君に向かってだ。馬鹿にしやがって……!」
と怒りながら言った。
「では、行きますよ。」
「こい!!」
円堂がそう言った途端、エドガーはボールを高く蹴り上げた。
ボールは高く上がり、それと共にエドガーも思い切りジャンプをした。
ボールに近づくと、右足を高く上げ、回転する。
「エクスカリバー!!!!」
エドガーは回転した勢いを使い、上げていた右足で思い切りボールを蹴った。その右足は剣に見えた。誇り高き騎士の剣。それを振りかざすように右足がボールに勢いをつける。
ボールは地面を抉りながらゴールに、円堂に向かっていく。
円堂はタイミングを合わせて高くジャンプした。空中で右手を振り上げ、着地と同時に右手を振り下ろす。
「怒りの鉄槌!!!」
円堂はボールを地面に叩きつけるように右手をボールに振り下ろした。
しかし、パワーはエクスカリバーが上回った。
エドガーのシュートは円堂を吹き飛ばしてゴールに突き刺さった。
「信じられない……円堂さんの怒りの鉄槌があんなに簡単に破られるなんて……」
立向居は驚愕の表情でグラウンドを見ていた。
「円堂君……」
心配そうな顔をする秋。いや、皆が心配そうな顔をしている。氷歌をのぞいて。
「どうやら、私の勝ちのようですね。氷歌のいるチームと言ってもこの程度ですか。」
エドガーは長い、綺麗な髪をふわりと靡かせ、グラウンドの外を見た。
「さあ皆さん、余興は終わりです。パーティー会場に戻りましょう。」
誇らしげな顔でそう言ったエドガー。
氷歌は何処か冷たい目でそんなエドガーを眺めていた。
「これが……これが世界レベル……」
円堂はエドガーの言葉など耳に入っていないようだ。自分の手を見つめ、感動している。
「ボールのパワーが身体全体にズシンッって来て……凄いなエドガー!今のシュート!あんなシュートが打てるなんて!」
円堂はエドガーに真っすぐな目を向けてそう言った。
エドガーたち、ナイツオブクイーンは驚いているようだ。
「なんだあいつ……負けたのに笑ってる。」
「皆も見ただろ!今のシュート!これが世界レベルのサッカー!そして俺たちはその世界と戦える!こんな強い奴らと戦えるんだ!」
円堂は嬉しそうにそう言った。真っすぐな、円堂らしい目で。
「円堂君……」
「円堂……」
皆も嬉しそうにそう呟く。
「俺たちも負けてられねえな……」
「あぁ、皆明日から特訓だ!!」
「「おぉ!!!」」
イナズマジャパンの皆は世界レベルを知った。そしてそれに挑戦できる嬉しさに心を躍らせた。
「変わってるでしょ。」
氷歌はエドガーのところへテレポートで飛んでいた。
「あぁ。変わっているよ。あんな奴見たことない。」
エドガーは円堂を見ながらそう言った。
「あれが彼なの。だから面白いんだよ。」
氷歌は嬉しそうに笑った。作り笑いではない、本当の笑顔で。
「思ったより楽しませてくれそうだ。君もいることだしね。」
エドガーも嬉しそうに微笑んだ。その笑顔から感じられるのは嬉しさと期待。円堂たちと同じように、エドガーも試合を楽しみにしているようだ。