二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ”絶望”と”希望”交わる世界で。   魔法募集! ( No.65 )
日時: 2011/06/19 16:37
名前: 藍蝶 (ID: fjkP5x2w)

第4話 「危険地帯ってこういう事?」


         <ポチャンッ>


リン達は黄色い魔法陣から出てきた。
普通地面に落ちるものだから、<ストッ>的な音がする筈なのだけれど海ノ世界は特別。世界そのものが海なのだから。
だからといって息が出来ない訳でもない。ここは”特別”なのだから。


「ここは、とても幻想的な世界……ですね。どこ、ですか?」

由梨菜が聞く。当たり前だ、普通のヒトは世界移動など出来ない。
”カケラ”の力が有って初めて世界移動が可能となる。
ついでにこの移動に力を貸したのは輝キノカケラ。
遠の昔に割られた”クリフォニアの宝玉”……その一部だ。

「海ノ世界……陛下から聞いていたが本当に幻想的という言葉が当てはまる世界だな……」

質問には、拓人が答えた。ついでにソーラはこの世界に1回来た事があるとの事。

「でも、まるで活気が無い。ヒトさえいない」

優乃がそう言う。確かにヒトらしきものはこの広大な景色の中で一人も見当たらない。
家も、在るには在るのにボロッボロ。良く見ればゴミが其処らじゅうに散らばっていた。

(あれ……可笑しい。父さんから聞かされていたには、”とても活気のある世界”だって、言ってたけど)
リンは考える仕草をして、腐敗した住宅街に泳いでいってみる。

「あっ……王女様!勝手に行ってはなりません!」

光流の制止も聞かず目的地に到達したリンは家を詳しく見たり触ってみたりと調べ始めた。

                <バキン!>

すると、何かが音を立てリンを襲った。

「……っ!!」

すんでの所で交わした。襲ってきた敵の姿を見ると……ディアナ。Sランクのモンスター!

「金星神竜!!」

リンは金色の魔法陣を展開し、金に輝く竜を呼びだす。

《ガァァァァッ!》

ディアナに突っ込んでいく金竜。
衝突した瞬間、砂埃が一面に俟った。


砂埃が消えた途端に皆が先程のモンスターの位置に目をやるが、そこには破壊された家しか無かった。

「勝った?」

拓人がそう言って胸を撫で下ろすが、リンは首を振る。

「ど〜やら、此処モンスターの住処で……オヤスミの時間だったみたい」

砂埃が完全に晴れる。
姿を現したのは無数の巨大モンスター達。

「逃げますよっ!?」

光流が言った途端5人は全力で走りだした……が、ここは水中。走るなんて、縁の無い事である。
モンスター達はどんどん詰め寄る。

「あーもうっ!!テレポーションズブルー!!とりあえず、安全な場所ォッ!」

リンがそう唱えた。
同時に5人の体は、その場から消え去った。

第4話 終わり