二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

意味は、仲間 ( No.6 )
日時: 2011/08/27 16:21
名前: 蓮華 (ID: 5TsGjhCG)
参照: 童話って、最高。

「ナミ!!」

部屋にいきなり飛び込んできた礼儀の無い船長をひとまず制裁して、
何か用がある様なので、腰に手を当て、聞いてみた。

「何?」
「兎を、捕まえるんだ!!」

言葉より、ため息より、表情に出た。
言葉で表すならば、まさに「はぁ?」
兎、と言う生物は知っている。だが
この広い広い海の何処に兎がいるのだろうか?
船長の後をついて行き、海を眺めてみる。

そこには

「.............なるほどね」

口をついて出たのは、たった一言。
少年らしき影が、此方には気付くことなく海を跳ねているのだ。
帽子を手に持ち露にされた白い髪は、日の光を返し輝いている。
白い髪と、白い肌。それに映える紅い瞳。

その光景をみれば、船長の言葉にも納得できる。

「な、兎だろ!」
「そうね、で、どうするの?」
「捕まえる!!そんで」

もう何度か聞いたその言葉。
そして、船員達は動き出すのだ。

______仲間にするんだ!!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

彼女を覆うほど大きい影の正体は、船。
見上げれば、船首が付いている。

(ひまわり......?否、太陽......?でも顔付いてる)

その向こう側からヒョコリと顔を出したのは、麦藁帽子の少年。
手配書で何度か見たその顔、“麦わらのルフィ”。
張本人が自分を見てニコニコと笑っているのだ。
そして、グイ——ンと自分のほうに腕が伸びて来たかと思うと、ルフィは言った。

「乗れよ!!」

正直、驚いた。
こんな今出会った得体も知れない奴に、迷いも無く言った事に。
その手をとったのは、もしかしたら彼のそういう所に惹かれたからかもしれない。


「兎?」
「だってお前、そんな感じだろ」
「......はぁ」

直球な物言いと、時折見せる笑顔と「ししっ」と言う笑い声。
僕を囲むように立ってたり、座ってたりする船員達。とても暖かい感じで、賞金首とは思えない。

「改めまして、僕の名はレン。賞金首ではないですが、能力は持ってます」
「へぇ、見せてくれよ!!」
「じゃあ、“降雪”」

ルフィの肩に天候は晴れにもかかわらず、白い雪が積もる。
急いで手で払うも、どんどん積もっていく。
向けていた手を退けると、雪は融けた。
ルフィはキラッキラ目を輝かせると人差し指を僕に向けた。

「よーしレン!!お前、仲間になれ!!」
「.........はぁ!!?」

勧誘、と言うよりこれは命令だ。
ほんの少し能力見せて、礼言って別れる予定だったのに、そう、あくまで予定。

「あの、ごめんなさい。無理で「やだ!!俺はお前が気に入ったんだ!」」

拒否権無しかよ。
しかも周りの奴等一人もうごかねェし。
あ、黒い僕が出てきた。
収めなきゃ治めなきゃ納めなきゃ修めなきゃ。

「はい」

追い込まれた僕が言ったのは、NOじゃなく、YESだった。
え、あれ、なんで。
疑問符浮かべる僕の手を握ったのはルフィ。
やっだぁ〜とか言いながら上下にブンブン振られる手を、他人事のように見ていた。


「画家?」
「えぇ、画家。それが僕の職業でした」

まぁ別に何でもやるんですが、と付け加えれば再び手を握られた。