二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

薄桜鬼 狐の婿入り? ( No.2 )
日時: 2011/09/03 20:58
名前: 薄☆桜鬼 (ID: O72/xQMk)

壱話 「狐、千鶴と出会う!」


今日は暖かい日だった。
江戸の紅葉も彩り、すっかり秋、と言う感じだった。
千鶴は今日、一と共に昼の巡察に出ていた。
しばらくして千鶴は、茂みの方から微かに声が聞こえるような気がして、ちょっと近寄ってみた。

千「・・・!女の子・・・?」

そこには、傷だらけの女の子が横になっていた。
元は美しいと考えられる銀色の髪の毛も、土で汚れていた。

千「斎藤さん!」

千鶴は慌てて一を呼び、助けを求めた。
だが一は、首を横に振った。

一「放っておけ。傷はしばらくすれば癒える」
千「・・・!!」

絶句した千鶴を横目に、一は屯所へと戻る道を歩いた。
千鶴はしばらくしてから、意を決して歩きだした。
屯所前の門には、総司がもたれかかっていた。
千鶴の方を見てにこにこしていたが、千鶴が肩に手を貸している者を見ると、一層笑みを増した。

総「その娘(こ)なに?千鶴ちゃん」
千「怪我をしていたので、手当てしてあげようと思いまして。」
総「一君は何ていったの?」
千「放っておけと言われたんですけど・・・。」
総「ほんとお人好しだねぇ、千鶴ちゃんは。千鶴ちゃんの部屋で看病してあげて」
千「はい!」

そうして千鶴は、銀髪の女の子を連れて、廊下を歩き始めた。
幸い、自分の部屋に付くまでは誰にも会わなかった。
そして辺りをよく確認して、障子を閉めた。
千鶴は自分の布団を出し、少女を寝かせた後、清潔な晒などを出し、手当てを始めた。
一通り手当てが終わり、ちょっと息抜きをしたとき・・・。
バン!と障子が開いた。

土「千鶴、お前に頼みてぇことがあるんだが・・・」
千「ひ、土方さん!!」

反射的に女の子の前に飛び出すと、隠すように振舞った。

千「な・・・何でしょうか、土方さん」
土「・・・千鶴、お前なんか後ろに隠してねぇか?」
千「なにも隠してませんよ!」
土「じゃあ、お前そこどけ。」
千「う・・・。す、すみません・・・」

千鶴は大人しく退くと、布団に寝ている者の姿が露になった。
銀髪の長い髪の女の子だ。

土「・・・こいつは?」
千「斎藤さんと巡察のとき、茂みで見つけたんです・・・。斎藤さんは放っておけって言ったんですけど、放って置けなくて・・・」
土「ったく、お前って奴は・・・そいつを起こしてつれて来い!!」
千「は・・・はいッ!!」

千鶴は、その少女を起こすことになってしまった・・・。

   【続く・・・