二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: テニスの王子様 短編小説集 ( No.2 )
日時: 2011/09/28 19:48
名前: 來來 (ID: 6IEyNuk1)

白石蔵ノ介

「あーあ、白石が遅いから降って来ちゃったぁ」
私、兎耳雛奈は、昇降口で白石蔵ノ介の部活の終わりを待っている。一応彼女。いつも一緒に帰っているので、とりあえず待っている所である。が、雪が降ってきてしまったのだ。
「えらいスマンなぁ、ちょっと遅くなってしもうた」
「寒いから早く帰りましょ」
帰り道、先ほどから気になってはいたが、なぜか機嫌が悪そう。しかも、傘をさしていない。
「入らないの?」
「…傘嫌いやねん」
「……そんな人いたんだぁ?」
私が傘をくるくるまわして言うと、又不機嫌そうにムスッとする。
(なんなのかしら…)
「にしても、ほんま寒いなぁ…」
「そうね…」
すると、白石がいままでポケットに入れていた左手を抜いた。そして、私が右手に持っていた傘を奪い取る。ビックリして、その場で立ち止まってしまった。
「し、白石?」
「傘、嫌いやねん。ささんでもええやろ?それより、手繋がしてぇな」
といって、私の手を取る。白石の手は、とても温かかった。
「あー、分かったわ。もしかして、左手はかばんでうまってて、右手は傘だから手を繋げなくて傘に嫉妬したんでしょう?」
「……」
図星らしく、頭に手を置いて少し頬を赤らめていた。
「やっぱりね。でも、傘に嫉妬なんて…」
「雛奈の事が大好きやねんからしょうがないやろ?


        大好きやで?」


(傘、とりあえず返しなさいよ)
(こんなんいらんわ)
(そこまで、嫉妬!?)