二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ‐ 悪ノ娘 ‐ ( No.10 )
- 日時: 2011/10/29 14:29
- 名前: こたろう。 (ID: bFNlRtd0)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第6話 花と雑草
バタン
リンはドレスの裾を起用に持って、
城の扉を閉めた。そんなリンの目の前にあったのは
罵声を上げる国民の姿だった。見ただけでざっと100は居る。
そんな国民を見て、リンは静かに瞬きをした。
「…姫。いいえ、鏡音リン。」
パッと前へ出たのは最前列に居たのは一人の少女だった。
きれいな桃色の髪だったが着ていたみすぼらしい服が
その髪を台無しにしていた。
少女は強いルビー色の瞳でリンをにらんだ。
「私は巡音ルカ。黄の国の国民代表として言わせてもらいます。
この国の税金、あなたの私用に使っているんですって?
私たちは貴方のおもちゃじゃないのよ!」
整った顔立ちだが、精一杯気はっている顔だった。
リンは地面に座ったルカを冷たい目線で見直した。
泣きそうなのをこらえて、ルカは地面に頭を付けた。
指が震えているのはリンにもわかった。
「おねがいします…これ以上…私達を追い詰めないで…。」
そういったルカを見ると、リンはやさしいほほえみで
しゃがみ、ルカに手を差し伸べた。
ぱっとルカは顔を上げると、にっこりとほほ笑んだ。
それを確認したかのようにリンは後ろをふりむいた。
後ろに居たのはレンだった。
まじめな顔でリンの顔をみつめていた。
そしてリンはー。
「巡音ルカに国民損害の罪で死刑判決をくだしなさいー。」
静まり帰った庭で彼女ははっきりと言い放った。
レンは悲しそうな顔で一礼すると城に戻っていった。
何が何だかわからない、というようにルビー色の瞳を
輝かせるルカに対して、リンは冷たい目線でつぶやいた。
「うるさいのよ。あんたたちみたいなゴミ虫。
雑草は雑草らしく私の養分になってればいいの。」
「—…。」
ぷつんと何かの糸が切れたかのようにルカはその場に倒れ込んだ。
集まった国民は姫をにらみながらも権力を恐れ
その場を後にした。
「うっ…あ…うあああああああぁぁぁぁぁぁああああ!」
手の震える姿を見ながらルカは一人で泣き叫んだ。
もっとも、ルカのルビーの瞳は涙でにごってしまったのだが。
たとえるならばー。花と雑草だった。
雑草は花の養分となり朽ちていく。それだけの話だった。