二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ‐ 悪ノ娘 ‐ ( No.9 )
日時: 2011/10/25 17:33
名前: こたろう。 (ID: 6CqIKfIj)
参照: http://www.youtube.com/watch?v




第五話 大変です


「姫ッ…」

ネルは急ぎぎみにドアをたたきあけた。
奥には優雅に紅茶を飲むリンの姿があった。
リンはネルが息を切らしているのを見て
ただ事ではないと感じた。

「何?」
「住民…がっ…ぁ…」

ハァハァと肩で息をすると、
ネルは意を決したようにリンをみつめた。

「住民が…、デモをッ…起こして…」

ネルの言葉にリンは目を見開いた。
ガチャン!
啜っていた紅茶を机に乱暴に置くと
リンはカーディガンを羽織った。

「姫!今外へ出るのは危険すぎますっ!」
「私が責任を取らないわけにはいかないでしょう」

片手で時計を起用にはめると、リンはニコリと笑った。

「大丈夫よ。私に任せて!」

リンの笑顔にネルもつられクスッと笑った。
ーやっぱり笑顔だけは変わっていないじゃないかー
ネルは扉をゆっくりと開くと、

「いってらっしゃいませ。」

と姫を送り出すことに決めたかのように笑った。
リンはネルを見てニコッと笑い、部屋を去っていった。
それと入れ替わるように召使のレンが部屋に入ってきた。

「話は聞きました。デモですか…。」
「厄介なことはいつものことだからね。」

ネルは困ったように笑うと、窓の外を見まわした。
外には泣き伏すもの、看板を掲げるもの、叫ぶものなどが
わらわらとたかっていた。

「…まぁ今回のは特別ね…。」
「でもまあ姫から話を聞けば、少しは分かってくれるでしょう。」

そうー。その時はそう思っていたのだ。
何も知らない二人の使用人は。