二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【リメイク中】 ( No.71 )
日時: 2012/10/12 20:59
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode


  標的5「深奥の、真実を」


「お、落とし物?」

 沢田が聞き返す。私はその落とし物がとても大事な物だと言うことが伝わるように、真剣に話す。

「そう、落としもの。いっしょに探してほしいんだ」

 そう言ったのが伝わったのか、京子も一緒にお願いする。

「ねぇ、ツナ君。お願い。鈴の落とし物、一緒に探してくれないかな」
「う、うん。もちろんオレはいいよ!」
「・・・・・・・・・」

京子に頼まれた沢田の頬が赤くなっているのを、私は見逃さなかった。うすうす思ってはいたけど、もしかしてツナって・・・。
 そんなことを考えていたが、思考を止める。恋愛は個人の自由だ、うん。

「俺はいいぜ。ツナ」
「自分もいいっすけど・・・・・・」

山本は頷いたが、獄寺はやや不満そうな声で言った。獄寺は何故か私のことを認めてはいないようだ。何を認めていないかは分かんないけど。
 すると、横から怖ず怖ずとした声が聞こえた。

「・・・ゴメン。用事があるんだ」
炎真だった。理由を聞くと、
 「アーデルに早く帰るように、って言われてるんだ。大事な話があるからって」

 アーデル、というのは炎真と同じ至門中から来た3年生の女子のことらしい(京子たちから聞いた)。
「ほんとにゴメンね」と、申し訳なさそうに言うと炎真は屋上から去っていった。

「・・・あーあ。炎真に聞きたいことあったのに・・・」

 私の言葉に、不思議そうな顔をする沢田。”あの人“と何か関係があるかもしれないと思ったが・・・。「ま、しょうがないか」と私はつぶやき。みんなのほうへ向き直ると、

「んじゃあ、案内も兼ねて、探すのよろしく!」
 そう言って屋上を後に歩き出そうとすると、

「ちょ、ちょっと待って!」

 沢田が私を引き留める。急いでいきたいんだけど。
「ん? なに?」とやや不満げに聞いてみる。すると、

「その落とし物がどんなものか聞いてないんだけど・・・」
「そうなのな。どんなものか分かってねえと、探せないしな」

 山本も言う。てへぺろ。・・・・・・やっぱり似合わないので、もう二度と使わない。

「そっか、そっか。ごめんごめん!」
  私は慌てて落としものの説明をする。
 「えっとどんな種類の名前かは、忘れたんだけど・・・。色は灰色。大きさは・・・・・・これくらいかな」
そう言って、両手を胸の前で15cmほど縦に広げる。

「・・・もっとなんか特徴ねぇのかよ」

獄寺は、いっしょに探すことに賛成・・・ではなかったので、怒り気味に言う。

「特徴、特徴・・・・・・! えっと、ちょーかわいいこと!」

 獄寺の機嫌を少しでも取るために、慌てて言ってみる。が、

「他の特徴を言え」

発言に即却下する獄寺。

「他、ねぇ・・・・・・。う〜〜ん」

私は唸る。・・・何か他に特徴あったかな・・・? すると私はあることを思い付き、「あっ」と声を上げた。

「あった! 特徴!」
「なんだ?」
「えっとねぇ〜」

私は胸を張る。これならみんなもすぐ分かるはず! そう思い、自慢気に私はこたえた。


「空を飛ぶんだ!」


「・・・!?」
「・・・!!」

私の発言に、沢田と獄寺は雷でも落ちたかのような衝撃を受けた、ような顔をした。そして、即座に後ろを向き、

「————・・・・・・・・・!?」
「————・・・・・・・・・!」

小声で話すツナと獄寺。そして京子と山本は

「鈴の落とし物って空を飛ぶんだ!」
「へぇ〜すげぇなぁ!」

私の話に納得していた。

 「すごいだろ〜!」と自慢してみる。すると突然、

「———UMA(ユーマ)<未確認生物>ですッ!!」

 という、獄寺の大きな声が聞こえたので振り向いてみると、

 「・・・え?」
「アイツが話しているのは、新種のUMA(ユーマ)ですよ! たぶんマスコットか何かに化けているんです! ヤベェ、メモっとかないと!」

ツナが呆然としており、それに気づいてない獄寺がいた。会話はよく聞こえない。何してるんだこいつら・・・。一応声をかけてみる。

「おーい。そろそろ探しに行くぞ・・・って、なんで獄寺、メガネかけてんだよ」

 そこにはメガネをかけ、しかも片手にメモを持っている獄寺がいた。

「気にすんな。それより、はやくその落とし物ってヤツを探しに行こうぜ!」

と、何故か先ほどまでとは違い、探すのにノリノリの獄寺。

 「・・・? じゃあ、れっつごー!」
 「おー!」と沢田以外の3人が言ってくれた。ノリノリの獄寺に少し疑問を持ったが、気にせず進む。


 ・・・気のせいだろうか。獄寺の、メガネの奥の瞳がキラキラと輝いていた、のは・・・。
 それ以上考えると何故か嫌な予感しかしなかったので、気のせいだったことにする。


  〆 10月12日