二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【家まで待てるか】 白銀こねこ*銀魂 【バカ野郎】 ( No.3 )
日時: 2012/03/14 13:14
名前: 三森 ◆saOq5AkSFQ (ID: mVHy..WT)


「…して、そちらの娘は……」

「……み…水魚月小唄(みなづき こうた)です、17です、宜しくお願いします」

もはや不死鳥のように、かかとを落としても落としても死なない彼を前に彼女はビクリと肩を震わせた。
テーブル越しに顔を合わせながらものすごい勢いで目を合わせない。
合わせたら負けだと思っている。


「銀時の……いや、お母さんは誰だい?」

「おいだから俺のガキじゃねぇっつってんだろ!17っつったのが聞えなかったのかバカ!!」

桂は銀時のシャウトを意にも介さない。



「お……お母さんは…」

小唄が少しだけ目を伏せる。一拍、少しだけ間を空けてそして言った。

「お母さんは今海の底です。」

「…………!!」

途端、みるみる桂の目が見開かれて、ガッと小唄の肩を思い切り掴み詰め寄った。
ここで悲鳴を上げなかった私(小唄)の努力を誰か褒めてほしい。


「そうか…辛かったね……!」

「…え?いや、あの、自分で決めた事で」

「いや、いい!もう何も言わんでいい!」

「え?いやあのもしかして何か勘違」

「辛い事思い出させて悪かった…!いや、いくらでもいるといい!
 こんな汚いゴミダメのような所でよかったらいくらでもボスニアヘルツェゴビナ!!」


メシリと食いこむのはまたしても銀時のかかと。
ていうか、なんで毎回かかとなの?かかとに何の思い入れがあるの?何なのこのかかと縛り?


「だァかァらァ!てめえは人の話を最後まで聞けっつうんだよぉぉぉ!
 しかもお前が今さりげなく汚いゴミダメって言った所俺の住んでる所だからね!ていうか!」

ビシッと小唄を思い切り指さし、銀時。


「コイツ魚人の天人だからね!海の底で正解だからね!!むしろ陸にいる方が事件だからね!!」

「やだなぁ魚人とか。
 人魚姫とかフィッシュクイーンとかもっと可愛い言い方あるじゃないですかー。」

「フィッシュクイーンってあんま可愛くねぇし!何かちょっとキモいし!!」




「や、あのすいません銀さん。」

やや引き気味に手を上げたのは新八。
今にも掴みかかりそうな銀時をどうどうとなだめる。

「桂さんもう(気絶して)聞いてません。あと神楽ちゃんがそろそろ飽きてます」






【第2訓・話し上手は聞き上手】





「で、今回の依頼というのはだな」


何事もなかったかのようにまた復活した桂は、お茶をすすりながら切り出した。
ゴソゴソと自分の羽織の内側をまさぐり、一枚のチラシを取り出しテーブルに乗せる。


「「「「HARU COMIC CITY 2012 ?」」」」

一様に怪訝な声が揃い、桂はうんうんと頷いた。


「ああ、何でも巷で噂の春コミとやらでな。
 何でも我こそはという漫画好きの猛者達が自分で執筆したものを売る祭典らしい」

「で、それがお前に何の関係があるアルか」

「よく聞いてくれたリーダー!!
 実はこの祭りに我が一派で参加し、皆に攘夷志士のすごさを分かってもらえるような執筆物を売ろうと思う」

「売りゃぁいいじゃねぇか。俺達を巻き込むんじゃねぇよ」

銀時は気だるげに欠伸をつき、床に落ちてるジャンプを読み始めた。


「いやしかし元より根から硬派な我々ではいまいちパンチのあるものが書けなくてだな。
 そこでそう毎日仕事もせずにゴロゴロゴロゴロ漫画ばっかり読んでるお前に助言をもらいにきたのだ!」

「それが人に物を頼む態度か!!!
 ぜってぇ嫌だ、めんどくせえ、もはや何がめんどくせえか考えるのもめんどくせえ」


「で、これが一応今のところ作ってみた下書きなのだが……」

「だからてめぇは聞けよ!!人の話をよ!!!」


またしても桂が懐から取り出したもう一枚の紙に、

彼等は絶句する事となった。