二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【家まで待てるか】 白銀子猫*銀魂 【バカ野郎】 ( No.4 )
日時: 2012/03/15 19:26
名前: 三森 ◆saOq5AkSFQ (ID: mVHy..WT)


【第3訓・回想するな、今を見ろ】


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俺の名前はキャプテン・カツーラ!
攘夷志士に憧れるチェリーなボーイでござる。

今日は大事な約束があるんダッシュ。遅れる訳にはいかないんダッシュ。

ふと顔を上げると可愛らしい女性がチンピラに囲まれていたジョーイ。
横目に見ながら俺の心はグラグラと揺れるんだジョーイ。

……そういえばあの日もこんな夕暮れだったのだ。
そう、俺はあの日の夕暮に思いをはせたでごわす。

そう、あの日は小さな子猫が寺子屋のガキ共に囲まれていたのげす。

「やめるんだジョーイ!!!!」

そう、あの時俺はそう叫んだジョーイ。

今肩に乗っているのはその時の猫だジョーイ。



その時の俺の煌々とした高ぶった気持ちを再現するならばそれはそうきっと天の———(中略)

((中略))

((中略))


そんな事に思いをはせながら俺は嬉々としてドジョウ釣りにむかうのだったジョーイ。



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「あ゛あ゛あああああああああああああああ!!!!!」

ビリィ!と紙が引き裂かれる音と、銀時の絶叫が部屋中にこだまする。


「ああッ!何をする銀時!!しかもまだ序盤の第一章で!!?」

「序盤だ?これで序盤だと!?どーでもいい事ダラダラ長すぎんだろ!
 つーかつまんねーし長げーし相変わらずテメェの脳みそは何考えてるか分かんねーし回想ばっかだしつーか回想しかなかったし主人公の喋り方安定してねーし最終的でジョーイとかダサい語尾が採用されたっぽいし結局女助けたのか分かんねーし最終的にドジョウ釣りだし回想多いしあ゛あ゛あああああああああああああああ!!!!」


さすが桂の執筆物というべきか。
人格を崩壊させる何かがあるらしく、銀時のツッコミももはや長すぎて読みにくい事この上ない。


「いや、読者に考えさせるエンドにしようと思ってな」

「うるせーよ!!何かそれっぽい事言ってんじゃねーよ!!」

「ハッハッハ、俺の才能に嫉妬か?
 全く、貴様は俺のやることにすぐミソをつけたがるな」

「ミソっつーかもう最初っからクソまみれだからね!硬派のこの字もないからね!!」


銀時の酷評も特に答えた様子もなく、桂は次に絶句していた他の3人に向き直る。


「で、皆にも感想を聞きたいのだが……」

「「「……………………………。」」」


3人の顔の陰が濃くなる。

銀時の言葉ではダメだった。
誰かが言わなくてはいけない。

誰かが彼の目を覚まさせなくてはいけないのだ。


「ぜ……」

静かに口を開いたのは小唄。

「………前衛的、ですね。」

「おお!そうか!いや小唄殿は見る目がある!!」

ああ!ダメだ!なんか褒め言葉にとられたよ!?
いや、包んだ私が悪いけど!彼にオブラートなんて高度なものを使った私が悪いけど!!


「いや、ヅラこれはダメアル。つまらなすぎてある意味兵器ネ」

「はっはっは、リーダーには少し大人向けすぎたかな?」

撃沈した小唄に変わるように、サラリと鼻をほじくりながらの神楽の忠告も堪える様子は微塵もない。



「あの、」

満を持して新八が口を開く。

なまじ中途半端な事を言ってもダメだ。
もはや心を鬼にするしかない。



「お言葉なんですけど桂さん…コレ多分売れないですよ。微塵も面白くないです」

「Σ何!?お言葉すぎる!」

「あとキャラに好感持てないです。なんかキモイ」

「こ、小唄殿!?」

「話も小指の皮ほども面白くねーぞ」

「リーダー!?」


桂が揺らいだ今、ここぞとばかりに追撃が加わっていく。


「全然攘夷関係ないですしね」

「内輪ネタみたいな痛い感じになってますね!」

「語尾でキャラの特徴出そうとしてるのも痛いアル」


「…………………………!」


「…まあそういうこった。最初からお前には敷居が高すぎたんだよ。
 やめとけ、恥かく前によ」

見せたのがまあ身内で良かったじゃねーか。

怒涛のような愛のムチ(?)の後、そうダルそうに銀時が締めた。



「いやしかし……!」

桂が困惑したように言う。
いやあのストーリーで何でそんなに自信持てたんだよって話だが。

何だかそれを見て、桂とはほぼ初対面だった小唄の良心がチクリと痛んだ。(これから先慣れていくにつれて、この時の選択は失敗だったと常々思う事になるが)



「……大丈夫ですよ桂さん」

そう呟いた小唄の声に桂を除く全員が目を剥いた。

「折角わざわざここに依頼に来てくれたんです。何とかしますよう」

「小唄殿……いや、編集長……!!」


何やら不愉快なあだ名をつけながら、桂が顔を上げる。

銀時が小声で「何言ってんの?何勝手な事言ってんの!?自分がどんだけ難解な事言ってんのか分かってんの!!!?」と小唄の肩をガクガクと揺らしているが、口に出した手前後の祭りだ。


「大丈夫です。
 あと15秒くらいしたら銀さんも『ちっ、しょうがねぇなぁ』とか言いながら頭掻きはじめますよ」


「何が大丈夫なんだてめぇコラ!!そんで何でそういう事言うんだお前は!!
 そんな予知されて誰が今更仏心なんか出すかふざけんなァァァァ!!」

「最初から『任せとけ!』なんていう銀さん、銀さんじゃないですもんー。
 最後に何だかんだ言って重い腰を上げるのが銀さんなんですよ」

「ちょ、やめてくんない。人を不器用な優しさの持ち主みたいに評するのやめてくんない!!」