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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 天国の犬の物語———あなたと過ごせて幸せだったよ… ( No.2 )
- 日時: 2012/03/17 18:52
- 名前: ライ ◆64PzB9jtgM (ID: dXUQaT2.)
桜の花なんか一厘も裂かない森の奥の洋館——————……
門にキラキラした光が飛び、窓の方へ向かう。
「あら? 次のお客様? 私は犬神 李椏。えぇ、分かっているわ。貴女の飼い主さんに言いたいことがあるのね? ……その前に、少しだけ、貴女の過去を見せてもらうわ。 ノア、お願い」
『あぁ、分かっている。』
ノアと呼ばれた銀色の毛並みをした大きな犬はおすわりをして祈るように上を向いた
李椏とノアの脳内には、一年まえの物語が見えてきた
———————————……桜の花びらが散る間に髪をなびかせながら走る少女が一人
「おばーちゃぁん!! レイ達、いるー!?」
空の小鳥たちはすこし、迷惑そうに飛び立った。だが少女は気にもせずただ走り抜ける
そして、和風の家の前で止まり息を整える
「…奈々かい? レイちゃん、ちゃんと居るよ」
その家から優しげな感じのお婆さんが出てきて、奈々ととばれた少女に微笑む
その後ろからは、灰色の毛並みをした猫が「ニャー」と嬉しそうに、奈々に走り寄る
「おばあちゃん、こんにちは。わーっレイ! 久しぶりー、会いたかったぁー」
奈々はしゃがみこみ、笑顔でレイの頭を撫でる。レイは嬉しそうに目を細めながら
「うにゃー」と鳴いた。
「ふふ、奈々は本当にレイが好きなんだね。ゆっくりしすといいよ」
そう言って、お婆さんは家の中に入った。
残されたレイと奈々は構わず、遊んでいる
「んー今日は、どこ行こうか?」
「んにゃあ!」
レイは奈々の腕をスルリと抜けて走り出した
その先には、大きな桜の木があった
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