二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN】ホワイトデーの恐怖、来る!【合作】 ( No.3 )
- 日時: 2012/03/18 00:07
- 名前: 秋原かざや ◆FqvuKYl6F6 (ID: 76WtbC5A)
◆ホワイトデーの恐怖(?)来る
それはいつも通りの一日……になるはずだった。
「じゅううううううだぁああああいめぇえええええ!!」
どどどと、凄まじい砂煙とともに、獄寺隼人がやってきた。
「あれ? 獄寺、くん?」
「一生のお願いです。付き合ってくださいっ!!」
な、なんとっ!! 早朝から、いきなり急展開!? 獄寺君から、愛の告白!?
「って、ご、誤解しないでください、十代目っ!!」
「いや、その、誤解しないでって言われても、誤解する……」
困惑顔の沢田綱吉こと、ツナは、思わず空を見上げた。
「買い物を、付き合ってくれませんか?」
ぽんと、思わずツナは手を打つ。
「なるほど、そういうことなんだね! 買い物をってところを早く言ってほしかったよ」
勘違いしそうになっちゃったよという、ツナの言葉に。
「それはそれで、面白いぞ」
「リボーン!?」
ちゃっかりリボーンもツナの頭にちょこんと乗っかっている。
「と、とにかく、買い物は学校が終わってから、だね」
「え? そうなんすか?」
「学業、疎かにしちゃだめだよ」
というわけで、授業が終わってから、また合流を果たすのであった。
そして、放課後。
「じゅうううううだいいいいいいめぇええええ!!」
なにやら、デジャヴを感じたが、ツナは気のせいにした。
「じゃ、行こうか」
「はい、よろしくお願いしますっ!!」
歩き出しながら、ツナは授業時間の間、ずっと気になることを獄寺にぶつけた。
「で、何を買うの?」
「ホワイトデーっす……」
ああっと、思い出した。そういえば、もうすぐホワイトデーだった。
「でも、ホワイトデーってことは、誰かにお返しを……」
「姉貴っす……」
ぶるぶるがたがたと震える獄寺に、ツナは思わず息を飲む。
「ビアンキのポイズンクッキングは、なかなかだからな」
何がとは言わない。
幾度と無く、それを受けている二人には、もう言わなくても分かる。
頭に乗っていたリボーンの言葉に、二人は同時に息を飲んだ。
「なるほど、それを回避するために」
ツナの言葉に獄寺は、力強く、何回も頷いた。
「いいよ、頑張ろう!」
「はい、十代目っ!!」
滝のように涙を流して、ツナの言葉に感動する獄寺に、ツナは苦笑するしかなかった。
手始めにデパートに入った。
「で、何か、当てはあるの?」
「ふふふ、実は事前にリサーチしておきました」
ばばーんと獄寺が取り出したのは、貰って嬉しいホワイトデーのプレゼントランキングのリストであった。
「凄いっ! これなら良いもの買えそうだね!! で、どんなのがあるの?」
どれどれと二人は覗き込んだ。
一番下にランキングしていたのは……財布。
「……獄寺くん、予算いくら?」
そおっと人差し指をあげた。
「千円?」
「千円っす」
千円でビアンキが喜ぶ財布を買うのは、非常に困難だ。
二人は別のものに変えることにした。
その次にランキングしてたのは、ハンカチ。
「これだよ、獄寺くん!!」
「おおっ!! これなら……」
二人は急いで、売り場に向かい。
「申し訳ありません、売切れてしまいまして……」
「ガッデムっ!!」
売り場のお姉さんの無慈悲な言葉に、二人はがっくりと肩を落とした。
「獄寺くん、まだあきらめるのは早いよ」
そう、まだリストには続きがある。
「きっと、まだこの中に……」
次の商品は……ワイン。
「却下」
「却下、ですね」
涙目になりつつ、また次の品物にターゲットを絞る。
「獄寺くん、クッキーだよっ!!」
「行きますっ!!」
ダッシュで向かい、クッキーを……。
「申し訳ございません、お客様……」
「ノオオオオ!!!」
頭を抱えて倒れこむ獄寺に、ツナはそっとリストを見せる。
「だ、大丈夫、まだまだリストには……」
「……次がラストっす」
涙を滲ませる獄寺に、ツナは。
「きっと、大丈夫だよ!! 急ごう!!」
「十代目がそういうならっ!!」
またもや、ダッシュで向かう。マリオもびっくりのマッハなBボタンダッシュだ!
と、獄寺の視線の先に、特価の高級チョコレートがっ!!
「これ、一つちょうだいな」
ラスト一つを、おばはんに奪われた!!
「オウ、マイ、ゴッドオオオ!!!」
道は絶たれた。
もう、後はあのビアンキの恐ろしい料理が待ち受けて……。
「仕方ないヤツだな、奥の手だぞ」
ツナの上から、紙袋に入れられた、何かが降ってきた。
思わず、二人が紙袋の中身を取り出す。
『誰でもイチコロ♪手作りチョコレート☆ビギナーズ・レシピ!』
「「おおおおっ!!」」
しかも付箋が付けられたところには、トリュフチョコの作り方が!!
「それなら、多少、見た目が悪くても誤魔化せるだろ?」
「「あざーーすっ!!」」
さっそく、二人は材料を手に入れ、100円ショップで手に入れたラッピンググッズで、頑張って、高級感を出したチョコレートを生み出したのであった。
そして、運命の日……の翌日。
「獄寺くん、大丈夫だったかな?」
「さあな」
リボーンを頭に乗せたツナは、いつものように登校して……。
ばったり。
目の前で行き倒れている獄寺を見つけた。
「ご、獄寺くん!? 手作りチョコ、渡したんじゃなかったの?」
「わ、渡しましたよ……でも、姉さんの料理より上手いとはどういうことだと言われて……がくり」
「獄寺くん、獄寺くんっ!!」
「どっちにせよ、ポイズンクッキング行きだったか」
こうして、獄寺とツナの、恐ろしいホワイトデーは終わりを告げたのであった。