二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 夏目友人帳 —分かち合うのは— ( No.14 )
日時: 2012/04/12 22:02
名前: フウ ◆vauozlQS2w (ID: 4djK7y3u)

 試験終了後、あれだけ来るなと強く頼んだのに門前で待機していた白瀬と合流。まさかの校門前で女の子を待たせるという伝説のシチュエーションが成立してしまい、夏目のあとを追ってきた北本、西村、田沼や多軌は前振りもなく現れた見知らぬ少女に言葉も出ない状態だった。
 ……その時、彼女が塔子さん達にしたのと同じ説明をしてくれればよかったのだ。普通に。淡々と。
 なのになぜあんなことをしたかったのか、背後の皆がガン見している中、頬をうっすら赤く染めはにかみながら「夏目くーん、やほー☆」などと言ったので場は一気に修羅場に。
 程度だけでも説明するとすれば、基本冷静な北本と田沼が息継ぐ間もないほど夏目を詰問するくらい、並々ならぬニャンコ先生愛好家である多軌が白瀬の足元に気付かなかったくらい、西村が意味不明な叫び声をあげながら夏目の襟を掴んで激しく揺さぶり続けたくらい、とでも言おうか。
 何とか友人達を振り切り、笑いをこらえて小刻みに震えている白瀬に声を荒らげて問い詰めたがのらりくらりとかわされ、丁度良い時間帯にあった二両電車に乗り込んだ頃にやっと怒りの炎は沈下してきた。降りた先の五ヶ峰村で食事をとったのち、店頭から一歩も引かなくなった先生の為に抹茶味のアイスもなかを買っていると、もう二時を回っていた。それから若干焦り気味で山を歩いているのだが、それでも先生の言う通りまだ半ばなのかと思うと気が重い。