二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 夏目友人帳 —分かち合うのは— ( No.16 )
- 日時: 2012/04/14 19:23
- 名前: フウ ◆vauozlQS2w (ID: 4djK7y3u)
少し遅くなりましたが、参照100アクセス突破しました!見に来て下さっている皆様、本当にありがとうございます!
「……白瀬。少し聞きたいことがあるんだ」
「はいよー。私が答えれる範囲でいいならなんでもどうぞー」
先生の右フックを事もなげにかわしながら、白瀬は夏目へと視線を流す。
「依頼でおれに会いに来た、って言ってたな」
「うん。言ったね」
「……一体どんな仕事なんだ? 妖の頼みを引き受けるなんて、聞いたことがないんだが」
祓い屋ではまずないのだろう。かといってそれ以外妖に関する仕事は思い浮かばないのだが。
んん〜と顎に手を当てながら、先生のタックルをお辞儀する形で回避する白瀬。背後からの攻撃に即応するあたり、背中に目があるかのようだ。
「強いて言うなら何でも屋かなー。だから仕事の内容ってーとまちまち。答えになってないけど、どんな感じっていったら、願いを叶えてもらいに来た客をアルバイトとしてこき使うようなとこだね。もー、本当にひどいんだから」
つまりはへんてこな店ってことか。
「店長ってば本っ当に人使い荒いんだよー!? 血反吐吐きながら仕事終わらせたらすぐはい次あっちー、んじゃ次こっちーって! おかげで東奔西走、南船北馬と走りっぱなし! たまには休日くらい与えろー!! あ——くっそおおぉお!」
天に向かって白瀬は悔しげに叫ぶ。その様子に少し引いている夏目に代わり、彼女へのアタックを断念した先生が負け惜しみのように口の端を吊り上げた。
「ふん。おうちに帰れない程しごかれているということか。さぞや親が恋しいことだろうな?」
あはははははははは。
白瀬は笑う。
「そうだねー。恋しいねー。もう帰れないからねーあそこには」
「何だ。家出でもしておるのか?」
「うんにゃ。そういうのじゃなくてね」
「父さんと母さん、もう私のこと覚えてないから」