二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ワンピ×ダン戦】-王子嫌いな円卓の騎士 ( No.43 )
- 日時: 2012/06/19 19:23
- 名前: 勇騎那 (ID: ZTxzplLx)
翌年、学校を卒業するまであと一年に迫ったロルシアとフォークス。
学校を卒業すれば、2人は海へ出る。
———————————————
「あとどれだけだ」
フォークスは美女に完成した顔を歪め、怒気が混じった声で言った。
「ん〜、あと三軒」
「さっさとしろ!!これ以上俺を怒らせるな!!」
「やだ!!フォークスが怖い!!」
彼の両腕には紙袋がどっさり。
女の買い物に付き合わされる男の定めと言うべき情景がそこにあった。
十軒までつき合わされるくらいなら寛容なフォークスは怒らないが、流石に23軒は頭に来たようだ。
「長くさせないから!行こう!!」
「十分長いわ!!」
次の店を目指してロルシアは駆けだした。
その時——————
———————ドギュンッ
「「「「「キャー——!!!」」」」」
「すぐにここから離れろ—————!!」
ここは、海賊たちが集まる地でもあった。
ロルシアは海賊船同士の争いで撃ち出された流れ弾に倒れた。
「ロルシア!!!」
フォークスはただ一人信じられる人間を抱きとめた。
彼女の胸は彼女の髪のように赤く色づいていた。
「しっかりしろ!!」
「………フォークス…」
「お前、言っただろ……。自由な海に出ようって!!」
悲痛に叫ぶフォークスは、母譲りの綺麗な瞳を持つ少女を抱きしめた。
少女はわずかに残っている力の限り、たくましく成長した彼の体を抱きしめ返した。
ロルシアは消え入りそうな声で赤子にさとすように言った。
「泣かないでくれ……」
———————————大好きだから……
ロルシアはくすんだ赤いダイヤモンドのように笑っていた。
背中に感じたぬくもりが落ちて、綺麗なオレンジの目は覆われた。
「(オレには……幸せなんてないのか……!?ただ一つ、望みが叶えばそれでよかった。ロルシアと自由な海で生きたかっただけだ………。人間が……人間がこいつを殺した………)」
フォークスの中で何かがはじけた。
ロルシアの亡骸を横向きに抱いて彼はゆっくり歩きだした。