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第三章　〜奴隷解放の大罪人、偉大な母、そして世界一いい女〜

「暇だな……」

河川敷の芝生に寝っころがった少女がポツリとつぶやいた。
綺麗な瑠璃色の髪のポニーテールに水を含んだように潤んだオレンジの目をしている。
左目の斜め下に泣きぼくろがある少女だ。

「刺激がほしい〜。海に出たい〜!!」

その言葉は彼女にとって一番の望みだった。
雄大な海に生きたい。
自由に生きたい。

「おれと一緒に行かないか?」
「え?」

起き上がって、背後を振り返った。
誰もが知るあの海賊、ゴール・Ｄ・ロジャーだった。

「おれの船に乗らないか?海に出たいんだろ?」
「………っ!!」

彼女は少し考えた。
願ってもないことだった。
さしのべられた手をつかみ、海賊として生きるか、夢半ばで終わるか。
出した答えは……

「行くよ!!ロジャー船長!!」

"無法者"になることだった。