二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 妖狐×僕SS ☆*:.。.夢小説.。.:*☆ ( No.2 )
- 日時: 2012/06/04 17:53
- 名前: ねこんこ (ID: gZQUfduA)
*cake*
「おいカルタ!こんな感じか…?」
渡狸が私に問いかけて来る。
ここは渡狸の部屋。今はケーキを作っているところだった
メレンゲを必死に泡だてていた渡狸は、
苦戦したのか、少し疲れたような表情だった
それを見て、カルタは心の中で
くすり。
と、笑った
「もう少し…貸して…」
そう言って、渡狸の手の中からボールをとり、
カルタは手際良くメレンゲを泡だてた。
そうして、ボールを裏っ返しにした
「落ちないなら、大丈夫。」
わ。と言って小さく驚いた渡狸は、
すげぇ と言ってカルタの方を見た。
渡狸が私がひっくり返したボールを見ている。
少し、上目遣いで。
それから私に視線を移して
「カルタってすげぇな」
と言った。
自称『不良』と言っている渡狸は、
つい素直な気持ちが出てしまったからか、顔を紅くさせて
「めっ、メレンゲも俺の敵だ!メレンゲを綺麗にあわ立てたら、
俺はワルとして、レベルアップできるからなっ!」
とか、なんとか意味がわからないことを言って。
あ、と思った。こんなことあった。と、カルタは真っ直ぐ、
渡狸の青い瞳を見つめた。
『前』にも、こんなことが。
- Re: 妖狐×僕SS *kace*更新中! ( No.3 )
- 日時: 2012/06/04 17:55
- 名前: ねこんこ (ID: gZQUfduA)
*cake*
ーーーー…
「カルタ!材料ってこれでいいよなっ?」
そういった渡狸は、私に近付いてカゴの中身を見せた。
「ん…紅茶も、飲む…」
「じゃあ、俺行ってくるわ。ここで待ってて」
渡狸が、紅茶のパックがあんのってどこだっけか。と、
つぶやきながら歩き始めた
少しずつ。だけど確実に離れていく2人の距離があった。
それがなんだか、渡狸が自分から遠ざかっていくように感じたカルタは、
渡狸の元にゆっくりと近付いていき、彼の服の裾を
きゅ。
と握った
「私も…一緒に行く」
その瞬間、渡狸の顔が少し赤みがかったのは言うまでもない
ガチャ…
控えめな音を立てて、ドアが開いた
まず渡狸が入ってきた。それに続いてカルタも。
「お邪魔します…」
「腹減ったーっ!さっさと作っちゃおうぜ!」
そう言いながら、早速材料を出している渡狸。
それを見たカルタは少し首を傾けた
「…ただいま?」
なぜ、疑問符が付いたのかは別として、
毎日 いただきます や ただいま と、礼儀正しく言っていた
渡狸にとって、ありがたい忠告だった
「あ、そっか…ただいま!」
いくら不良(ワル)と言えども、これはくせだからしょうがない
「カルタ!ケーキ作ろうぜ!」
まるで小さい子供みたいに無邪気に笑う渡狸を見て、カルタは少し微笑んだ。それは、分かるか分からないかの微妙な変化だったが、ずっと一緒に居る渡狸には、それが分かった。
「うん。…はい、エプロン」
「!?」
彼女が差し出したのは、いかにも女の子らしい、
フリルのついたエプロンだったのだ
「渡狸、可愛いから…」
やっぱりこいつにはかなわねぇ。
と、心の中で渡狸は呟いた