二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:  皓々と照る月 【REBORN】 ( No.12 )
日時: 2012/06/07 21:35
名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: 6vo2Rhi6)

今日は家庭科でおにぎり実習をする予定らしい。教科書はすべて置き勉してるから時間割を見ないので今朝初めて知った。てかこの学校大丈夫か。中1にして家庭科の授業がおにぎり実習とかクオリティ低くないか。そう思いながらもおにぎり実習を楽しみにしている笹川さんが可愛すぎるのであえてスルー。家庭科のセンセーもなぜおにぎり実習なのか聞いてほしくなさそうな顔してたし優しい私は聞かないでおくよ。

しかし。しかしだ。そのおにぎり実習にはいくつか問題点がある。一つ目は出来たおにぎりを男子共にあげなきゃならないこと。二つ目は、ただの勘だが、嫌な予感がすること。とりあえず、周りには気をつけよう。そう思いながら調理室への階段を2つ飛ばししながら駆け下りた。


「あ、東城さん!一緒におにぎりつくらない?」
「…いいの?じゃあ、一緒につくろう。」
「ちっす東城さん!おにぎり何いれるか決めたの?」
「うん。シャケと、ウメと…あと、昆布。」


「あ、私もー。定番だけど、美味しいわよねー」と初めて事務的なこと以外で喋った黒川さんがにっこり笑う。黒川さんも意外と可愛いな。とにかく調理室に入れば、すでにおにぎりを作り始めていたので、いそいで手を洗ってほかほかとしたご飯を握る。あつい。えと、塩加減はこれくらいでいっかな…といろいろ頭の中で考えをめぐらせながら、ぎゅっと手に力を込めた。すると、急に笹川さんが私に向き直る。


「…ねえ、東城さん。東城さんのこと、名前で呼んでいいかな?」
「勿論いいさ!じゃあ、私も京子ちゃんって呼びたいんだけど」
「うんいいよ!これからもよろしくね、ユウちゃん!」
「何あんたら。東城さん、私のことも花でいいわよ。私もユウって呼ぶからさ」
「…!う、うん!京子ちゃん、花ちゃん!」


おふたりに可愛いスマイルをプレゼントされました。ずっきゅんずっきゅん心臓に矢がささってます。うれしいな。何だか、友達みたいで。そう言ったら二人に「もう友達でしょ!」って怒られるんだろうな。ふっと思わず笑う。二人は優しい。優しすぎる。けど、なんか、おにぎり実習、結構楽しいな。二人のおかげだ。


「よおし、できたわ!さ、男子共に渡してこよ!」


花ちゃんに手をひかれて、外にでる。教室に行くと、男子がそわそわとおにぎりを待っていた。きもい。私はとりあえず、沢田とごっきゅんと、山本の3人組の元へいく。けど、ごっきゅんは女子に囲まれてて、沢田は、京子ちゃんの前でもじもじしてた。恋する乙女か!まあ実際そうなのだが。けど京子ちゃんは渡しません。

(…、!)すると、そこに殺気。あわてて京子ちゃんの方を見ると。


「…、え」


かなりの美人さんが、京子ちゃんのおにぎりと自らのおにぎりを入れ替えていた。そのおにぎりからは何か虫がウヨウヨしていて、見るからに身体に悪そうだった。うそん。毒?沢田があわあわしているのが見えた。もしかして…沢田関係なのかな。とりあえず私は、京子ちゃんのほうへ近づいた。いつのまにか来た、ごっきゅんと山本が今にも口にいれそうだ。沢田がますます顔を真っ青に染めた。
助けなければ。いくら面倒事には関わらないと決めたとはいえ、人の命がかかっている。そんなこと、いってられない!

私の蹴りが、残りの毒おにぎりを弾くのと、沢田が「食べたら死ぬんだぞー—っ!!!!」と叫びながら山本たちの手の中にある毒おにぎりを弾くのは、ほぼ同時だった。


ズガガン!と銃撃音に似た音が響いて、私は足をおろす。


「死ぬ気でおにぎりを食う!!!」


見れば、沢田が目を鬼の如く吊り上げて、毒おにぎりをもしゃもしゃむさぼっている(しかも上半身裸)。…大丈夫なのか?それどころか彼は、「たりねー!」と叫ぶと他の人のおにぎりまで食べだした。私はとっさにおにぎりを隠す。せっかくつくったおにぎりを沢田にとられたら困る。私はこれをごっきゅんと山本にあげようと思っていたのだ。もちろん沢田にも。けど、あんなご乱心な沢田にあげてもな。と、沢田が元に戻るのを待った。

気づけばいつのまにかあの美人な毒お姉さんは、消えていた。




そして、このおにぎりの一件は意外な波紋を呼んだ。
「そんなことないよ〜」と京子ちゃんが苦笑いする。それを花ちゃんが否定。いや、花ちゃん間違えてるよ。なぜか沢田の「食べたら死ぬんだぞ」という言葉を、皆、「オレが京子からもらったおにぎりを食った奴はぶっ殺すぞゴラァ!!」という言葉にとっていた。なんてことだ。そもそも沢田はそんなこというキャラじゃないし、京子ちゃんを呼び捨てにはしない。皆の頭は春満開だな。いいこと…なのか?

沢田は頭にはてなを浮かべて立っていた。



ちなみに、おにぎりは無事だった。もちろん3人組にあげた。おいしいと言ってくれたので、まあよしとしよう。





(しかし…東城夕。まさかビアンキに気づくとはな…。ビアンキは気配を抹消していたというのにな。やっぱりあの力はボンゴレに必要だぞ。なんとしてでも入れさせてやる…)


その頃、リボーンがこんなことを思ってるとは知らずに、私は大きな欠伸をした。



@新世界にて退却宣言(標的09)


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ヒロインちゃんが並盛3人組におにぎりをあげた理由は、ちょうどおにぎりが3個あったからと、最近よく事件を起こしているので興味があったからです。