二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 皓々と照る月 【REBORN】 ( No.17 )
- 日時: 2012/07/02 18:37
- 名前: なゆ汰 ◆TJ9qoWuqvA (ID: 6vo2Rhi6)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2/index.cgi?mode
いつのまにか、路地裏にいた。何となくその日はダルくて、学校をサボろうとしていたら、雲雀恭弥に見つかった。さすがにあの時みたいに殴られたくは無いので、すぐさま逃走。そしたらいつのまにか路地裏に入り込んでいた。ジメジメした店と店の間、なぜか血の臭いがした。ツンと鼻につく異臭が充満する路地裏の奥で、呻き声も聞こえて、私は踵を返す。冗談じゃない。面倒事には、巻き込まれたくないというのに。あーあ、サボろうとなんかしなきゃよかった、と、今更ながら後悔。そのまま走りだそう足を踏み出そうとする。すると、ぐんっと腕がひっぱられた。恐ろしいほど冷たい手が、私の腕をぎりぎりと握り締めている。
「しし、捕獲ー♪」
「……っ、…!」
無邪気で、どこか冷酷な声が私に耳を劈いた。殺されるんだ、と、恐怖のせいで荒くなる息を感じながら、思う。ここまでだ。この人生。ああ、でも。このまま死ねば、リボーンくんや沢田たちの関わるマフィアやボンゴレなどの非凡なことに巻き込まれることはなくなる。そう考えると、ふっと肩の力が緩んだ。ぜんぜん恐くなくなった。このまま死ぬのも、いい。このまま死ねば、楽になれる。
「あんま動揺してねーみてーじゃん。」
「ええ。動揺してもこの状況は変わりませんし。どうせ私は、この奥にいるであろう死体たちと同じ運命をたどるのでしょう?」
「しししっ、せーかい♪直接的に見てねーとはいえ、そんだけ理解してりゃ、殺す理由としては十分なんだよね。だから今から死んでもらうぜ?」
私の腕をつかんだままの少年はいう。金糸のような髪がきらきら光ってて綺麗だ。それにしてもなぜ前髪隠れてるんだろう。なぜティアラなんだろう。まあ、これから死ぬんだからどーでもいーや。さよなら人生。特に幸せでもなんでもない人生だったけど、でも、まあ、やっぱり。
「死ぬのは恐いかなあ…。」
「……何それ、矛盾してね?死ぬのは覚悟してんのに、やっぱ死ぬのは恐いって。…ふーん……おまえ、面白いね。いーよ、殺さないであげる。ししっ、王子やっさしー。けど、このことは一切他言ムヨウだから。言ったら殺すよ?」
「……?ありがとうございます。」
なんか意味わかんないけど、命拾いしたみたいだ。金髪の少年は、「ししっ」とまた奇妙に笑って、どこかへ言った。
いったい、なんだったんだろうか。
@金糸雀は宙返り(標的12)