二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【雑食】 コギト・エルゴ・スム 【短編】 ( No.1 )
- 日時: 2012/08/01 12:16
- 名前: 仇野 ◆vSYwr8v1.s (ID: mxpCGH6q)
- 参照: あのね、
(!)獄寺くんと恋人設定。
「獄寺くんのバーカ。きらい。」
誰もいない教室。獄寺くんの机に向かって罵倒の言葉を投げかける。勿論その机の持ち主は、此処にはいない。
獄寺くんは最近わたしに構ってくれない。10代目10代目ってそればっかだ。わたしは獄寺くんの彼女なのに。あんなに必死に片思いして、告白して。やっと掴んだ恋なのに。わたしとデートしててもなにしてても、沢田くんのことばっかり気にして。
わたしが転んでも「だっせー」って笑うだけなのに、沢田くんが転んだら、「大丈夫ですか10代目!」。
この前だって、二人でデートしてる最中、沢田くんから電話が来てそのままデートすっぽかして沢田くんの元へ。知らなかったと思うけど、あの日わたしの誕生日だったんだよ。ずっと、楽しみにしてたんだよ。
しまいには「沢田くんとわたしがキケンにさらされています。けどどちらか一人しか助けることが出来ません。どちらを助けますか」って聞いたら10代目と即答。ねえ、ほんと、わたしって獄寺くんのなんなの?
「獄寺くんなんて、だいっきらい。わかれてやるーっ!」
大声で叫んで、獄寺くんの机を蹴っ飛ばした。ついでに沢田くんのも。なんでわたしばっかり悲しいんだろ寂しいんだろ。バッカみたいだ。さっさと別れちゃおう。そしたら、きっと、幸せになれるんだ。
けど、わたしにはそんなことできない。悔しい。それほど、獄寺くんがすきなのだ。愛しているのだ。いっそ獄寺くんがフッてくれればいいのに。
涙が獄寺くんの机にぽつりと降った。一回泣き出せば最後、涙はまったく止まらない。ずびずび鼻を啜る音だけが、静寂な雰囲気を吹き飛ばす。
「ちくしょーすきなんだよ、だいすきなんだよバカヤロー!!」
どれだけ叫べど思いは届かない。今頃沢田くんのお供してる獄寺くんには、一生届かない。惚れたもん勝ち?そんな馬鹿な。惚れたもん負けのほうが、よっぽど恋愛には似合ってる。
ああそうか。惚れたもん負けって、こういうことだ。
@ あのね、
こっちを見てよ。こんなに君を思ってる人が、ここにいるんだよ。
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無神経な獄寺くんと女の子の話。続くかも知れぬ。