二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.10 )
- 日時: 2012/08/10 23:56
- 名前: シャオン (ID: uUme72ux)
- 参照: http://http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
第三話 元凶現る!
食堂内に悲鳴が巻き起こった。このきっかけは数秒前に遡る。無心が振り向いた瞬間、カッターナイフが自分の頭上へと振り下げられようとしていた。無心はそれに対応し、自分を襲うカッターナイフを持つ者の手首を両手で掴みこみ、背負い投げをした。バタンッと鈍い音が食堂内に響き渡った。その瞬間、辺りは静かになり、一斉に無心を見ていた。
周りの人は、大多数が口を開けてこの意味不明な状況を見ていたが、一人の女子生徒が叫び声を上げた。それにつられるかのように周りの生徒も叫び声を上げて、逃げ出す人が出てきた。それで、今に至る。無心は周りの生徒の絶叫に、まるで音が聞こえていないかのように下にある者を見る。
「ヤオ、お前何か知ってるだろ」
大の字に倒れた八尾図を無心は問い詰める。その言葉に応えるかのように八尾図の右手の指がピクッと動いた。その瞬間、八尾図は体操選手がよくやるバク転のような感じのことを始め、無心から10m位にまで距離をとった。そして、着地が成功すると、だらーんと上半身を前に垂らし、顔を無心の方へと向ける。
「やぁ、初めまして棉柄君・・・僕・・・世路神骸だヨ・・・」
「何で俺の名前を知ってる?」
「ず〜とこの器に潜んでいたからねぇ・・・知ってるんだよ・・・」
無心は確信した。こいつは確かに世路神骸だと・・・。この異様なほど不気味な声。しかも、さっき思いっきり背負い投げを決めたのに、全然平気のような表情をしている。無心は制服の中からチタン製で出来ている二等辺三角形の定規を手に装備する。この定規は対戦闘用に作られ、加工された代物だ。切れ味も日本刀の非じゃないぐらいに。
「まぁまぁ、落ち着いてヨ・・・さっきのはほんの挨拶だヨ・・・」
その声はもう、さっきの処世の声ではなかった。まるで何か別の者の声が処世の身体を支配してるかのようだった。誰もいなくなった食堂内に乾いた笑い声が響き渡る。無心はただ黙って武器であるチタン定規を制服の中にしまった。
「ありがとう・・・少しは僕も信頼されて「全然」」
無心、即答する。しかし、こんな事されても世路神には意味がない。 暴言、暴力、闇討ち、裏切り、などなどなど過負荷であるこの男にとってはどうってことのないものだった。
「ねぇ、棉柄君。人って・・・なんだと思「知るか」」
またも即答。しかし、世路神はへらへらと不気味な笑みを浮かべている。さすがに慣れているとは言え、ここまでされても笑っていると周りからの反応は当然こうだ。「気持ち悪い」。世路神も当然これに近かった。
「ひどいよ〜棉柄君〜最後まで人の話を聞こうとは思わないのぉ?」
「思わないし、思いたくもない。それに、お前に少し恨みがある」
無心からピリピリとした空気が発せられる。しかし、世路神は相変わらずの不気味な笑顔。
「お前のせいで安心院さんに面倒な仕事押し付けられたんだ。覚悟してもらうぜ」
世路神はニヤッと口元を上げた。
「良いよ・・・借り物の身体だし・・・気が済むまで僕を殴ってくれ・・・君の気が済むまで・・・」
無心は手を拳に作り上げ、自分の片方の掌に拳を当てる。そして、宣言するように言う。
「じゃあ、遠慮なく。それと、俺の名前を呼ぶ時は親しみを込めて、ムジナと呼んでくれ」