二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.101 )
日時: 2012/10/02 23:52
名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode



 第三十一話 お昼寝

 保健室にて、無事に到着した無心は部屋の状態を見て唖然としている。黒焦げになった保健室の壁や床や天井。散らかった物置。究めつけはボロボロになった無心の知人と友人。そして、見知らぬ男が腹から血を流して倒れていた。この様子から察して無心の推測からすると、

 「・・・まさか」

 無心はバッと保健室を飛び出し、燈蔵が壁に張り付けられた場所を見てみると、

 「・・・あの野朗」

 人が埋まってたと言う証拠のクレーターらしき窪みがあるが、さっきまで壁に張り付けられた燈蔵の姿がなかった。それを見た無心はボロボロになった壁を睨めつけると、再び保健室の中に入り、中で倒れている人の応急処置を始めた。

















 一方その頃、青空と程よい風が気持ちよく流れている時。彼、世路神 骸は屋上にて頭を後ろに組み優雅に昼寝を楽しんでいた。ヘッドフォンから流れるノイズ音と太陽からくる暖かい日差し。世路神のお昼寝には最適なものだった。

 「ふぅ〜極楽極r・・・・ん?」

 気持ちよさそうな笑顔で呟こうとしたそんな時、ヘッドフォン越しからではあるが、微かに人の声が聞こえた。世路神は耳に当ててあるヘッドフォンを外し、耳を澄ました。

 「・・・んで・・・女子と・・・んだ・・・」

 耳を澄ましていてもなかなか聞こえない。世路神は声のする方へ少し体をずらして耳を澄ました。

 「なんで俺は・・・女子と巡り会えないんだ・・・」

 はぁ?と言いたくなるような言葉だ。世路神は上半身を起こして声のする方に目を移した。そこには、手すりに両腕を乗せ、もたれ掛かっている金髪の男子生徒の姿があった。

 「ねーそこの黄昏ている陰湿なキミー。愚痴るなら他でやってくれないかな。君のその馬鹿げてくだらない思想が僕の大切な睡眠をおびやかすんだ」

 世路神はそこの手すりでもたれている男に毒を吐き捨てた。まさかの第一声がこれだと普通の人ならまず立ち直れなくなるか果てさては、ここが一瞬で乱闘になるかもしれない。男はゆっくりとこちらを振り向き、困り顔で笑って見せた。

 「ごめん、謝るから許して?それでも許さないなら靴の裏でも何でも舐めるから許して?」

 その言葉により、世路神は一瞬で気が付いた。この男、間違いなく普通じゃないと・・・。なら、と世路神は頭をポリポリと掻いて口を開いた。

 「嘘だよ、ウーソ。で、何で黄昏てんの?」

 「あ〜・・・実はね、俺別の世界から転生したんだけどね。全然俺が目的にして来たものとは違うんだよ」

 世路神は納得した。すでに手に負えないほどに頭逝ってんな〜と心の中で呟いて。男は今度、背もたれみたいに手すりを利用して空を見上げた。

 「神様の馬鹿野朗!何で女ばかりの学校じゃなく女に出会えない学校を選びやがったんだ!?」

 (コイツ・・・本当に手が負えない・・・教室に戻ろうかな・・・)


 世路神はそう思うと、ヘッドフォンを片手に立ち上がって扉の方へとちょっと速めの速度で歩いていく。

 「ちょっと待ってくれ!せめて自分の名前くらい言わせてくれ!」

 男は世路神の方へと届かないのに手を伸ばして、必死に自分に名前を名乗らせてくれ!と真剣な眼差しで頼み込む男。だが、人に頼む姿勢が手すりにもたれながらと言うのも些かどうかと思うが・・・。世路神は立ち止まり、男の方を向くと、

 「世路神 骸だ」 

 世路神はそう言うと、扉の向こうへと消えて行ってしまった。その様子を見た男は、ポケットからカードの束を取り出して、シャッフルをし始めた。少しの間、その作業を繰り返し、カードが無事に混ざったことを確認すると、手を止めた。

 「さぁて、世路神 骸君の運勢は?」

 そう言いながら、一番上のカードを一枚引いた。そこに描かれていたのは海賊の旗にあるドクロマークのようなものがあった。それを見た男は、

 「わぁお、これが出るとはねぇ・・・まぁ頑張れ、世路神 骸君」

 
 男は引いたカードを束の中にスッと入れると、ポケットの中にそれを突っ込んだ。そして、彼も


 「ではでは、俺は女漁りに行くか・・・」

 ポケットに手を突っ込んだまま男は扉の中に消えていった。