二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.47 )
- 日時: 2012/09/14 22:08
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: .kakiko.cc/novhttp://http://wwwel/novel3/index.cgi?mode
参照500突破記念!! 無心 過去の記憶編
棉柄無心、当時12歳。当時の無心は人柄も良く、誰からも信頼され、誰もが羨ましく思うような生活を送っていた。そんなある日、無心は部活帰りから家に帰宅した時のこと。無心はいつもどおりに家のシャワーを浴びて、夕食を食べようと席についた。
「最近どうだ?学校の方は」
向かいの席に座っている男、そう無心の父親が彼に話しかけている。
「うん!とても楽しいよ!」
無邪気な笑顔で無心は応える。父親は、そうかそうか、と呟きながら笑っていた。
「さぁ、食べましょ。今回は無心の大好物のハンバーグよ!」
無心に陽気に話しかけるのは無心の母親。テーブルに置かれた箸を取り、一家全員でいただきますを言った。無心はバクバクと物凄い勢いでハンバーグを口に入れる。そんな無心の様子を微笑ましく見る両親だったが、母親は少し表情を変えた。
「あら?無心どうしたのその痣」
母親は無心の腕に付いているインクが滲んだような色の痣を見つけて言うが、無心は・・・
「ん〜知らない!」
食べるのに集中して、あまり聞いてないように見えるが本人は本当に何も知らなかった。そして、その日は何事もなく終わってしまい、次の日になった。
「無心、ご飯よ!」
上の階に向かい大きな声で呼びかける母親。少しすると、バタバタと駆け下りる音がした。
「母さん!俺どうなってんだ!?」
無心の母親は訳が分からず彼の身体を見てみると、無心の腕に付いていた痣がいつのまにか胴体へと侵食していた。母親はパニックになり急いで救急車に連絡を取り、そしてベッドで寝ている父親を叩き起こした。父親も当然その状況が理解できないため一旦妻と自分と無心を落ち着かせた。
「お前・・・どしたんだ?」
父親は唖然とした表情で無心を見た。本人も何が何やら分からない顔をしている。そして、無言のまま数分が経ち、救急車が到着した。無心はこれに黙って乗り、病院へと搬送された。無心の両親も後から病院で合流して、医者の話を聞いた。
「え〜・・・結果から申しますと彼、無心君の身体は何の異常も見られませんでしたね」
「「「え!?」」」
一家は言葉を揃えて言った。医者も難しい表情で資料を眺めている。
「とりあえずお薬を用意しますので、これで様子を見ましょう」
それからと言うもの、無心は毎日薬を1日二錠飲んでいた。無心が薬を飲み始めて半年が経ち、無心にある変化が見え始めた。
「おお、無心!身体の痣が無くなったじゃないか!」
無心の痣がほとんど消えていた。父親は大喜びで叫んだ。母親も喜びのあまり泣いている。しかし、無心は喜んでいなかった。
「どうした無心、嬉しくないのか?」
父親は無心が喜ばないのに疑問を感じ、無心に話しかけた。無心は無表情のまま父親の質問に応えた。
「何も沸かないんだ・・・喜びも嬉しさも」
その時から、無心は一切笑わなくなり、それどころか感情と呼べる動作は一切しなくなった。両親は再び違う病院へと連れて行った。そこの病院では患者となる子供と医者のマンツーマンだ。その時、無心を担当していた医師は人吉瞳であった。人吉医師は無心の今までの経歴を一通り目を通してこう言う。
「あなた、異常だけど異常じゃない物を感じるわ」
「どう言う事ですか?」
無心は人形みたいに全く表情を変えない。
「そうね・・・昔に私が担当した患者も似たような子が1人いたわ。その子も君と同じものを感じたけど・・・。う〜ん・・・どう言えば良いのかしら・・・あえて言うなら「過負荷」かな」
「過負荷・・・」
「誰からも愛されていない。誰からも優しくされない。そう言った患者の事を私流で言うと、過負荷って呼んでるの」
しかし、無心は誰からも愛されるし。誰からも優しくされている。過負荷のかの字も当てはまらなかった。
「無心君・・・。あなた、何か持ってるよね?」
すると、さっきまで何の表情も見せなかった無心の頬がピクッと動いた。
「大丈夫よ、私はあなたと近いものを持ってるから安心して」
優しく声をかける人吉医師。無心はただ黙ってコクリと頷いた。
「俺は時々、色んなことが出来るんです」
「へ〜例えばどんな事?」
「物に触っただけでも砕けちゃうし、たまに俺に話しかける人を怒らせる事も出来るんです」
人吉医師は無心の話を聞きながら紙に何か書き始めた。
「で、その能力はお父さんとお母さんは知ってるの?」
「いいえ、知りません」
そして、人吉医師は何か書き終えると、
「じゃあ、この能力をお父さんやお母さんに話したりとかしてないの?」
笑顔で語りかける。
「してないです」
「どうして?」
人吉医師は顔を近づけて言った。
「お父さんとお母さんの仲が悪いからです」
to be continued