二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.55 )
- 日時: 2012/09/15 20:24
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
第十六話 謎の少女
静かな教室。授業以外では決して静まることの無いこの教室で、無心はへらへらと笑う女の子を睨めてけていた。ビシ・・・ビシ・・・とロープの軋む音が教室に流れる。無心は戦闘態勢に入って、両手には戦闘用の三角定規を装備していた。
「どうも初めまして。おはようございます、こんにちは、こんばんは。1年0組所属 1番 赤無 色名(あかなし いろな)と申したりするような気もします。どうぞ、よろしく」
突如、少女から存在するはずの無いクラスの名前が出て来た。その事にも無心は気がついていた。
「0組?そんな組は存在しない」
冷静かつすぐにそれを指摘した。赤無は自分を両腕を縛っているロープを楽しそうに動かして遊びだした。
「あはは、そんな事ないよ!その組は実在してるよ?だってこの私がその組の生徒だもん」
一言で言うなら話にならない。赤無は自分の世界に入り自分の身体を激しく揺らして遊んでいる。無心は思った。同じ質問をしてもまた変な返答で返されるな、と。面倒なので無心は次のことを赤無に聞くことにした。
「これをやったのはお前か?」
生徒全員をぶら下げた事を赤無に尋ねた。
「私はあくまでここの教室に居ただけで何もしてなかったりするのかもしれないよ?」
答えがあやふやだ。ここまで来ると、少し感情を取り戻した無心からにして見れば、感情なんて無いほうが良かったと思えるほどに腹がたった。
「よし、今から一回でもそのざけた返答をしたら無事じゃ済まないぞ。無事でいたかったら真面目に応えろ」
「あはは、私に怪我させたかったりする!?だ〜めだ〜め!私に怪我させたかったらもっと修行してきたりしなよ」
プツン、と無心の堪忍袋の尾が切れた。
「喜神化・・・」
静かにそう呟くと、無心はドンッと地面からすごい音をだして、未だに遊んでいる赤無の目の前にまでに迫り、殴る体勢に入っていた。その瞬間だった。
「!?」
殴ろうとしていたはずの手が動かない。いや、動かせない。赤無を殴るはずだったその手がなかったからだ。無心は何が何やら分からなかったが、相手はすぐ目の前にいる。なら、と無心は自分のもう片方の手を使い赤無目掛けて殴った。しかし、赤無は自分を締めているロープを利用し右方向に避けた。目標を失った無心はそのまま教室の壁へと突っ込んでしまった。
教室中がホコリやら砂煙やらで覆いつくされた。だが、少しするとすぐにそれも納まった。壁に出来た大きな穴。喜神化の効果で力が増幅された無心の拳は半端な物ではない。その気になれば、人一人を一発で殴り殺せる。現にこの穴の開いた壁がその威力を物語っている。
「いってぇ・・・」
無心がこもった声で上に乗っかってる瓦礫をどかして立ち上がった。
「このやr・・・!」
無心は赤無がぶら下がっていた場所に一声かけようと見たのだが、そこには彼女はいなかった。それどころか、消えたはずの無心の手が元通りになっていた。
「・・・どういうことだ?」
無心はとりあえず落ち着き、冷静に考えた。そして、少しの時間が経ち、
「行きたくなかったんだが、あの人に会いに行くか」
無心は教室から出て行き、何処かへと消えていった。