二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.58 )
- 日時: 2012/09/16 21:23
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
第十七話 会談
理事長室にて、和服姿の白い髪の老人がふわふわと座り心地の良いソファに腰を掛けていた。彼の名前は不知火 袴(しらぬい はかま)。この箱庭学園の理事長を務めている。悠然と座っているその姿は、まるでこの学園の支配者とでも言いたそうな振る舞いだ。その時、
コンコン
と誰かがドアをノックした。理事長は「どうぞ」とドアの向こうにいる人物に入室を許可した。ガチャ、とドアが開き、外から一人の生徒が入ってきた。
「お久しぶりですね、無心君」
理事長は挨拶するような軽い感じでドアの前に立っている無心に話しかけた。実は無心は最初から1年13組に所属していた訳ではなく、元々は他の学校に通っていた。そして、訳ありでここに転校した際に理事長に1度会っていたのだ。
「お久しぶりです、理事長。ちょっと聞きたい事があってここに来たのですが、よろしいでしょうか?」
無心は何時に無く丁寧に話し出した。
「良いですよ。とりあえず立っているのもなんなので、どうぞ座ってください」
理事長は自分の向えにあるソファの方を示した。無心は黙ってそのソファに座った。無心が座るのを確かめると、膝に手を置き、背筋を伸ばし、綺麗な姿勢になった。まるで、就職試験を受ける人のようだ。
「では単刀直入に聞きますけど、0組が出来たと言うのは本当ですか?」
無心は少し真剣な表情をして、理事長に尋ねた。理事長は少し眉をピクッと動かし、少し間を空けた。
「それを何処で知ったのですか?」
「ついさっき、1年5組で0組の赤無とか言う奴に会ったんです。そいつから聞きました」
理事長は「・・・なるほど」と呟いて、手を顎の方に置き、何か考えているようだった。
「確かに0組を創設しました」
その一言で、ずーと気になっていたもやもやが消え、スッキリした感覚が起こった。しかし、それと同時に他のクラスはこれからの0組への襲撃を受けるのではないかと言う不安要素が現れた。その証拠にさっきの1年5組では生徒全員が吊るされると言った襲撃事件があったばかりだ。
「なぜ、そんなクラスを創設したのですか?」
無心はその経緯を知るため、理事長に聞いた。
「では私も聞きますが、この学校はどんな人達が集められていると思います?」
理事長は改まって、何の表情も見せず逆に質問をした。
「それは、普通」、「特別」、「異常」、「過負荷」などの生徒が集められています」
「そう、「普通」、「特別」、「異常」、「過負荷」この四種類でクラスを分けています」
「ですが」と理事長は付け足した。
「この四種類に当てはまらない生徒たちが居たのです」
「それが・・・0組の生徒ですか」
「そうです、そして彼らはある共通点があります」
「それは?」
「自分と同じ者を寄せ付けない」
無心は理事長の言った言葉を復唱して呟いた。
「同族嫌悪と言う奴ですか?」
「簡単に言うならそうです。そして、0組(彼ら)の事を私はこう呼んでいます」
少しの間、この室内は静かになった。無心は真剣な表情で理事長の話を聞いている。そして、理事長がゆっくりと口を開いた。
「無能」