二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.71 )
- 日時: 2012/09/22 13:48
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
第二十一話 あの人、再び・・・
八尾図 処世は、無心に重たい一撃を食らったまま意識を取り戻せない赤無 色名(泡名)を背負い、保健室の扉の前に立っていた。さすがにずーと女子をおんぶするというのはきつかったのか、手足がプルプル震えている。
(くそ〜・・・無心の野朗・・・いつかスイーツ奢らせてやる〜)
とても無理のある笑顔でそう心の中で呟くと、手が塞がっているので足で扉をノックするという行儀の悪い行動にでた。さすがに本人も失礼だと思ったが、さすがに女の子を床に置いてノックするというのも些か気が引ける。すると、向こうから「はい、どうぞ」と返事が返ってきた。
「すみません、今手が塞がってるんで開けてくれませんか?」
「あ、分かりました〜」と向こうから返事が返ってきた。八尾図はやっと終わった〜と心の中で安堵した。そのせいかはぁ〜と、軽い溜め息が出る。その時、
「ん、何だこの臭い・・・火薬?」
さっきまで赤無を運ぶ事で精一杯だったため気づかなかったが、廊下には微量ながらも火薬の臭いがする。
(あ〜なんか文化際が近いからな。花火でも打ち上げるのか)
八尾図はそう心で納得させ、保健室から出てくる人を待つ。少し待つと、眼鏡をかけた保険委員の女子が出てきた。
「どうぞ・・・・・てっ、ええ!?ど、ど、どうしたんですかその子!」
背中におぶられている赤無を見て、驚く保険委員女子。ちなみに眼鏡をかけた保険委員女子と言うのは、以前無心が運ばれてきた際に保健室にいた八橋 谷津派だ。そんな彼女は慌てて「その子をここのベッドに!!」とそこに配置されいるベッドの方を指差した。八尾図は「あっ、はい!」と言って急いでベッドに赤無を寝かせた。
「一体何があったんですか?それにあまり見かけない生徒ですけど・・・」
八橋は寝ている赤無を見ながらその隣に立っている八尾図を問い詰めた。無心が女の子をぶん殴った・・・なんて言える訳がない八尾図は必死に答えを模索する。
「俺にも分からないですね、ただ登校中に路上で倒れているのを発見しただけですよぉ!!」
笑いながら必死に考えた嘘。八尾図は今までに嘘をついた事がなかったが故に嘘をつくのが下手だ。その上、額からすごい量の汗をかいている。
「分かりました」
八橋が静かに言った。八尾図は思わず「へっ?」と八橋に聞いてしまった。こんな嘘が通用するのか?本当に信じたのか?と八尾図は自問自答を繰り返す。
「ではでは、ここの紙にあなたの学年、組、番号、その人はどんな状態かを詳しく記名してから帰ってください」
八橋はごそごそと机の中を探ってから空欄のあるプリントみたいな物を手渡した。八尾図はあははっと笑いながらプリントを受け取ろうと手を出した。
その瞬間、
ガシッ
と八尾図が出した手首が八橋の手によって掴まれてた。
「・・・あのぉ、この手は一体・・・」
八尾図は少々引きつった笑顔で自分の掴まれている手を見た。
「あなた、登校中にこの人を拾ったって言いましたよね・・・?」
八橋が目を細めて八尾図を見た。
「それが何か?」
「外で倒れているのなら何で救急車に連絡しないんですか?」
ギクッ、と肩をビクつかせて八尾図はあははっと笑って誤魔化している。さっき流れたあの汗がまた一気に噴出す。
「あなたこの子に何かやったわね!!」
決定的瞬間を捉えた!!と言わんばかりに大声で言う八橋。八尾図は八尾図で必死に「違う違う!!誤解だーーー!!」と言いながら掴まれていない方の手で必死に振って弁解を図るが、
「言い訳は警察で言いなさい!」
そう言って八橋がポケットから携帯を取り出した時だった。ドカァンと保健室の扉から爆発音が聞こえた。そして、すぐに物凄い風が八尾図と八橋を襲った。八尾図は迫り来る爆風に負け、簡単に飛ばされた。すると、八尾図はふと横をみると、そこには一緒に飛ばされている八橋がいた。八尾図は何とか八橋の手を掴み身体をこちらに引き寄せ、身を呈して爆風から守る。そして、八尾図は爆風で壁に叩きつけられ、とんでもない痛みが八尾図の中を駆け巡った。風が止み、八橋の状態を急いで確認する八尾図だったが、気絶はしているが、何とか無事のようだ。すると、
「あーかなーしさん、あーそびーましょ」
爆発によって破られた入り口から見覚えのない制服を身に纏った男子生徒が立っていた。推測からすると、この男が声を発したのだろう灰色のセミロングの髪が所々跳ねていて、目は黒縁眼鏡で隠されている。手には手榴弾が握られている。周りから見たらこの男の第一印象は「狂ってる」の一言に尽きるだろう。
「あれー、居ないのかなー?」
男はずかずかとへらへらと不気味な笑顔を振りまいて保健室に入り込んだ。そして、ベッドに寝ている赤無を見つけると、
「あー寝てるねー、じゃあ起こ(爆発)してあげるかー」
男はそう言って手に持っている手榴弾のピンを抜こうとする。だが、
「君、だれー?」
男はある方向を見て言った。その男が見た先には、睨めつけながら笑う八尾図の姿があった。
「爆発テロの被害者だよ」