二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.84 )
- 日時: 2012/09/27 22:05
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
第二十六話 平和
八尾図処世は赤無の無能、「絶対王政」を使い、無能である絹氏 公明を捕らえていた。八尾図は無能である絹氏 公明を捕らえた嬉しさを心の中に押し殺して、必死に顔に出さないようにしている。そして、八尾図は足を前へと、絹氏の元へ歩き出した。
八尾図視点
やったー!マジでやったー!あ〜一時期はどうなるかと思ったよぉ・・・。着々と俺は絹氏の方へと近づいていく。
(ちょっとアンタ!あまり油断するんじゃないわよ!相手は0組よ?何か機会を狙ってるかもしれないわ!)
はい、分かりましたよ。そんなにこいつが警戒がするなんて、よっぽどの奴なんだな〜。・・・・・てか、何でこいつの声が聞こえるんだーー!?しかも、俺が思ったことまで何で聞こえてんだよ!
(今アンタは私を使ってるのよ?私とアンタは簡単に言うなら一つになっている状態なのよ。アンタが思ってることや、どういう感情を抱いてるのか、手に取るように分かるわ)
・・・あはは、こんなんじゃ個人情報を他人に暴露するなものだと同じようなもんだぜ。俺は憂鬱な気持ちになりながら、絹氏の前へと近づいた。
「あまりいい気になるなよ普通。お前がいくら無能のスキルを手に入れようが、所詮貴殿は普通なのだよ。」
何だ?負け惜しみか?・・・まぁ良いや。とりあえず・・・
「えいっ」
ブチッ
(!!?)
絹氏を縛っていた鎖のような物を俺が手刀で断ち切った。その瞬間、開放された絹氏はそこから俺との距離を取るような感覚で離れた。そしてこんな行動とって、あの人が黙ってるわけ無いか・・・
(当たり前よ!どうして逃がすの!?ここは止めをさすべきでしょ!?)
俺は人は殺さない(まぁ、当たり前なことなんだけどね)。ただでさえ人を傷つけて闘うのは好きじゃないのに・・・。お前らだってこれ以上闘う意味は無いんじゃないのか?
(甘い!私たち無能は常に自分と同じ奴を嫌ってるのよ!どういう経緯かは知らないけど、自分は一人の方が良いじゃない!こんなに同じ奴がいたら気持ち悪いでしょ!?)
世の中に同じ奴なんて・・・いねぇよ。
(どうして!?何でそんなことが言えるの!?)
だって・・・世界は広いからだ。
(はぁ!?)
確かに、似たような性格の奴もいるかもしれない。顔だって似てる奴もいるかもしれない。でもさぁ・・・それは必ず全部じゃない・・・。
(!!)
顔が似てれば性格も違うし、性格が似てれば顔は違う。性格が全部が全部同じなわけがない。必ずどこか違う所があるんだよ・・・。まぁ、今のお前には理解できないだろうな・・・。だけど、お前にもいつか分かるときが来ると俺は思う。
(ちっ、勝手にしなさい!私はアンタとは付き合ってられないわ!)
はいはい。
「何で逃がした」
奴は俺に話しかけた。さっきとは違う真剣な眼差しで・・・。じゃあ、俺も真剣に答えてやるか。
「俺は無駄な争いはしないんだ」
「はっ、綺麗事言ってんじゃねぇ。さっき僕に殴りかかってきたくせに」
・・・うーん、確かに殴りかかったなぁ・・・。
「あはは、でもあれはお前が保健室を爆破したからだ。いわゆる正当防衛さ!」
明るく振舞ってみたがどんな反応してるのだろうか・・・。何か考えてるのか絹氏が何か俯いてしまった。
「なぁ、赤無を含めて0組メンバーを攻撃しないでやってくれ!」
「!!」
俯いていた絹氏の顔が上がった。それは驚きの表情している。
「お前らがお互いを嫌っているのは知ってる!でも、それは何の解決にもならない!ただ争い事が増えるだけじゃないか!」
「お前に何が分かる!どれだけ努力で勉強しても運動もしてもあいつ等と変らないあの絶望感!!頑張っても頑張っても上がったり下がったりを繰り返す日々!!それなら一層、全て無くしちまえばいいんだ!!何もかも!!!」
こいつ・・・それがきっかけでこんなことを・・・。おかしいだろ・・・。いくらなんでもそれはやり過ぎだ!
「努力して変えられなかったのは分かった!でも、お前には他の無能とは違う物があるだろ!」
「あはは、面白いね!言ってみろよ!」
絹氏は俺を馬鹿にしたような表情で笑って言った。俺はこいつを見捨てない!絶対に!
「心だよ」
少しの間が空いて、ふっと絹氏が笑った。
「心・・・ねぇ」
そう呟くとアイツは爆笑しだした。何がおかしいのか俺には全く分からない。笑いで涙目になりながら、絹氏は俺に対して口を開いた。
「何馬鹿げた事言ってるんだよ!心?あー良いですね、とっても心に響きますは!」
「俺は真面目だ」
その時、俺の言葉を本気だと思ったのか真剣な表情で俺を見つめるようになった絹氏。やっと伝わったか・・・
「本気か?」
「ああ、本気だ。お前がそこまで自分を変えようとした心こそ、他の無能以外にはないとっても価値のある物なんだよ!」
「!!」
絹氏は一瞬目を見開き、再び顔を俯かせて、その場に崩れ落ちた。
「俺のやってきた事は・・・無駄じゃなかったんだな・・・」
涙声になりながらアイツの声が聞こえてくる。俺は「ああ、そうだ」と言ってあげた。どうだ赤無。人って案外変われるかもしれないぞ?
(うるさい、寝る)
あはは・・・。
第三者視点
絹氏が膝を床に着いて泣いている中、八尾図はそっと胸を撫で下ろした。その時、あっと何か重大な事を思い出す。
「保健委員さんのこと忘れてた!」
八尾図は焦りながら、保健員さんこと八橋 谷津派の元へと駆け寄っていく。さっきの戦闘で巻き添えを食らってしまったのではないかとネガティブな言葉が頭を駆け巡ったが、どうやら心配はいらないようだ。
「ふ〜何とか息してる〜」
また一安心をする八尾図。その時、
「貴殿は僕の恩人です!一生を貴殿のために捧げます!!」
さっきまでとはまるで別人のように明るい笑顔で言い放つ絹氏 公明。八尾図はえ〜・・・と苦笑いを浮かべて答えている。
「本当にありがt・・・」
ザシュ
何かの突き刺さるような音がこの空間を支配した。