二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.87 )
- 日時: 2012/09/29 00:32
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
第二十七話 襲撃者
さっきの戦闘で汚れた壁や床に赤いものが保健室の至る所に飛び散った。その光景を唖然とした表情で眺めている八尾図の姿があった。倒れている保健員の心配をしててはっきりとその瞬間を見れなかった八尾図だが、大体この状況を見れば分かるだろ。
「きぬじーーーーー!!」
絹氏の腹部からまるで腹から刃が生えたように出ている。
八尾図の返事に答えるかのようにガハッ、と苦しそうな表情で血反吐を口から飛ばしながら何とか意識があることを伝える絹氏。だが、それは一時の安心であり、時間が経つとそうもいかなくなる。
(アレは・・・)
赤無がそっと(八尾図の中から)この光景を目にして呟いた。八尾図は
「きぬじーーー!!」と走って刃が突き刺さる絹氏 公明の元へと進もうとするが、
(言っちゃダメ!これは罠よ!他にもまだ敵がいるわ!)
赤無が慌てて八尾図にそう警告するが、八尾図は耳を貸さなかった。八尾図は絹氏の元へと滑り込んで行き、彼の身体を抱え込んだ。絹氏の腹部には大きなサバイバルナイフが突き出ていた。絹氏の周りには腹部から出たであろう血溜まりが出来ており、早く止血しないと危ない状態だ。そんな時、絹氏が震える唇で、
「やお・・・ず・・・さん、これは・・・貴殿を・・・誘き出す・・・ため・・・の罠・・・です。に・・・げ・・・て・・・」
言葉を言い終えた後に、絹氏は痛みにより一時的な気を失った。八尾図はわなわなと肩を震わせた。悲しみから来るものでもあり怒りから来るものでもある。そんな複雑な感情が八尾図の身体を支配した。
その時、
ビュン
「『ストップ』」
と、どこから現れたのか、鋭い刃物が空を切るような音が自分に向けられた。が、八尾図は「絶対王政」でその刃物の動きを止めた。その時、ヒュ〜と口笛のような音で驚きを表現しているのか、そんな音が聞こえた。
「やるねぇ、う〜ん・・・これは推測からするとお前、現実を言葉で捻じ曲げることができるのかな?」
突如背後から聞こえた女の声。声の大きさからすると八尾図のすぐ後ろに立っているのが分かった。だけど、八尾図にとってはどうでもいいことなので、全く届かなかった。八尾図は何の表情も見せない。こんな事されて黙っていられるほど彼の器はそんな広くない。
「どうだろう・・・な!」
八尾図はそう言いながら振り向き様に拳を作り上げ、後ろにいる女に向けた。八尾図にはあまり人を殴るといった感覚は無いため、本人には良く分からないが、これだけは言えた。当たってない・・・。八尾図の拳の先には、女は愚か、人の姿が見えなかった。八尾図は自分の攻撃が外れ、若干転びそうになるがなんとか持ち堪えた。
「女子にグーは無いでしょ!あると言ったら、やっぱりパーじゃないと!」
「ッ!!」
その時、何とも言えない衝撃が八尾図を襲い、軽く数メートルは飛んだ。まるで、バットを数十倍にした威力が八尾図の身体を思いっきり叩いたような感じだ。八尾図は女とも思えない力と壁に当たった衝撃で動けなくなった。女は笑いを含んだ声でこう言った。
「アハハッ、くだらないくだらないくだらない!何が平和だよ、何が心だよ!くだらな過ぎて笑えるよ!!本当にあの時の事を思い出すよ・・・。なぁ、綿柄 無心君」