二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: めだかボックス 知られざる悪平等 ( No.90 )
- 日時: 2012/09/29 21:52
- 名前: シャオン (ID: r4m62a8i)
- 参照: http://.kakiko.cc/novhttp://wwwel/novel3/index.cgi?mode
第二十八話 悪夢、再び・・・
綿柄 無心は今、安心院さんとの会話を終え、誰もいない廊下を歩いている。無心の行く先はと言うと、保健室だ。無心がそこに行く理由は簡単だった。
うるさいから。
先ほどから保健室のほうでドンパチと、まるで戦争でもやっているのか!と言いたくなるような物凄い音が彼の耳に入ってきたのだ。最初はまだ我慢できたが、さすがに数十分もその音が続くとなるとさすがの無心でも我慢の限界だろう。
「あ〜・・・うるさい・・・。もう少し周りのこと考えろ」
教室を出たときからずーとこんな風にブツブツと愚痴を零している。その時、
「おーい、ムジナくーん!」
と、無心を呼ぶ声が聞こえてきた。まぁ、この呼び方をする人物は一人しかいないのだが・・・。
「ん?ああ、世路神かぁ。どうしたんだ?」
無心が振り向いた先にいたのは、昔無心と敵対していた世路神 骸が手を振りながらこちらにやって来た。しかも、耳にヘッドフォンを付けて。無心は、よっ!とまるで親しい友人と挨拶する感じで手を上げた。
「何してるんだい?こんな所で」
機嫌が良いのか、何やら楽しそうに無心に話しかける世路神。対称的に無心はやや不機嫌だ。それもそうだ。爆発音に似た音を数十分も聴かせられていては、誰でも不機嫌になる。
「いや、ちょっと保健室の方が騒がしくて注意しに行こうと思ってるんだが・・・ところでお前、何でヘッドフォンしてるんだ?」
「ああ、これか?ちょっと音楽を聴いててさ!」
「試しに聴いてみる?」と言いながら、世路神はヘッドフォンを外して、無心に手渡した。無心も、少しは気晴らしになるだろうと思い、そのヘッドフォンを手に取り、耳に当てた。
「!!?」
無心は慌ててヘッドフォンを投げ捨てるように世路神に渡した。無心は自分の耳がおかしくなっていないか確認する。さっき、ヘッドフォンから流れてきたのは音楽ではなく、奇怪なノイズ音。それと、黒板を爪で引っかくような音が同時に流れたのだ。「どうだ、良い音楽だろ?」と何やら期待の表情で無心に聞く。普通の人なら「うん、良い曲だった」とお世辞でも言うのだが、
「・・・悪い、俺にはとても」
と無心は素直に言うのであった。だがしかし、
「そうかそうか、そんなに良い曲だったか!曲を探すのに苦労した甲斐があった!」
全く聞いてない。それどころか、無心が言った言葉が丸っきり良い曲だったよ!みたいな感じで受け止めている。もう一度言い直すのもなんなので無心は、これ以上言うのも止めておこうと静かに思った。
「ところで世路神こそここでなにやってんだ?」
「ああ、やることないから屋上で寝ようと歩いてたところさ」
世路神は受け取ったヘッドフォンを耳に当て、気楽そうに話す。無心は「へ〜そうなんだ」と軽く呟くように言った。
「じゃ、僕はここで失礼するヨ。またどこかで外食しよう!」
「ああ、じゃあな」
世路神の姿が階段の方へと消えると、無心は再び足を進めた。気が付くと、保健室の方ではもう音は収まっていた。しかし、無心は足を止めなかった。音が静かになったからと言って、そこではい終わりと言う訳ではないのだ。どうな意図があってその状況になったのか、それとこれからどんな対策をするのかを聞き出しに行くつもりなのである。
数分後、無心は何気なく廊下を歩いていると、前からまたもや見かけない制服の少女が歩いて来た。オレンジ色の髪でロングヘアー。後ろの髪はシュシュで纏めてある。両方の耳元の髪が異常に伸びきって、胸の辺りまでに到達していた。
「!!」
ドクンッ
その時、無心の心臓が脈が打ち始めた。見かけない制服だが、顔には見覚えがある。無心が12歳のあの時、あの病院に会ったあの女。
(・・・まさか!いや、あの時俺はアイツを・・・クソッ、どうなってんだ!)
無心は見間違いだと、何かの間違いだと必死に心に言い聞かせる。そして、その少女が無心の前へと近づいてくる。無心の額から流れる一筋の汗。これは恐怖故かそれとも緊張故なのか、ただ汗を掻く。そいて、その緊迫とは裏腹にスッと少女は何事もないかのように通り過ぎていく。
彼はえ?と思った。後ろを振り向くとこちらに気が付くこともなく少女は普通に歩いている。無心はやっぱり見間違いか〜と安堵の表情を見せ、また歩き出した。
「ねぇ、13組の教室知ってるかな?」
「!!」
ドクンッ、と再び心臓が脈打った。おまけに今度は体中の血と言う血が逆流するような感じにも襲われた。
(気づいたのか?いや、気づいているならもうとっくに俺は攻撃されて・・・)
急に来る緊張感や恐怖感に無心はなるべく平静を装って、振り向いた。そこには笑顔でこちらを見る少女の姿があった。
「えーと・・・ここの突き当りを右に行った辺りが13組だな」
無心は色々な物に襲われながらも、何とか道を教える。少女は「ありがとう!」と行って再び後ろを向いて歩き出した。結局彼女は自分に気づいていたのか?それとも気づいていなかったのか?そんな疑問が無心の脳内で駆け巡りつつも、再び保健室の方へと振り向き、足を進めた。
が、
「なわけねーよ わたがら むしーーーーん!!」
無心の髪の毛が逆立つようなそんな不気味な声が聞こえてきた。無心が振り向くと・・・
ズシャ
廊下内で何かの肉が裂けるような音が響いた。