二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: --百日紅--《inzm》 ( No.1 )
日時: 2012/09/21 22:34
名前: 音愛羽(奈流羽) (ID: pqfEfqdv)




「舞桜姫様っ」

「へっへへ〜、追いつけるもんなら来てみなさいよっ!」


私は長く広い廊下を軽やかにかけていく。
はぁはぁ、と息切れしながら追いかけてくるのはメイド達。
私はクスっと笑うとそのまままっすぐ前を向いてスピードを上げた。
着ているドレスがワンピースのように軽くてよかった。

くるっと九十度にカーブすると、バタンと音を立てて扉を開ける。
一面の花畑。私の庭……。

そのど真ん中にそびえたつ百日紅の木。私の一番好きな木。
キレイな小さいピンク色の花を咲かす。


微笑むと、そっと木の幹に触れた。少しひんやりする。
そして決心した。やはりここを出るべきだ。



少女……いや姫君はそそくさと隙間からするりと抜けだした。
外の空気をいっぱいに吸い、満面の笑みを浮かべると、スッキップをしながら裏口の階段を軽やかに下りて行った。








「私もこの国をいつかは任される。ここにいちゃ、くにを何も知らないままだよ。
  いろんなことを知らなきゃ、国を治めることなんかできないよね」