PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: --百日紅--《inzm》 ( No.2 )
- 日時: 2012/08/07 23:06
- 名前: 音愛羽(奈流羽) (ID: d3Qv8qHc)
城下町におりつくとパッと目に入った洋服屋に行く。
色々と両脇に並ぶ服を見ていく。
気に入った物を探していると、ひらりと白いワンピースが目に入った。
腹のところには淡いピンク色のリボンが巻いてある。裾には刺繍が入っている。
店の奥に座っている店のオーナーのほうへ向かうと、
「すみません」
と、聞いた。オーナーは若い女だ。
こちらを向くと、目を丸くした。
彼女は人差し指を立て、口元へ添える。ついでに、しぃーっと効果音付きで。
オーナーはうなづくと、微笑んだ。
「姫様が何をお考えかわかりませんが……。おからだだけはお気をつけて」
「ありがとうございます。これ、お金です」
「いいよ。いらないよ、持って行ってくださいな」
「でも……」
「いいんです。気になさらないで。頑張ってくださいな」
「……ありがとうございます。必ずお礼いたしますから」
オーナーとほほ笑みかわすと、試着室を借り、ワンピースを着る。
くるんと一回転するとワンピースがひらりと広がる。
オーナーもいつからそこにいたのか似合ってますよと笑った。
笑顔の綺麗な人だった。
「本当にありがとうございました。このご恩は忘れません」
店を出ると、ワンピースの上からフードつきの羽織を着る。
フードをかぶり、うつむき加減でまた、彼女は町中に出て行った。
PR