二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.11 )
- 日時: 2012/08/08 16:01
- 名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: vf.KGARd)
File02 不可解
「ここが体育館!」
「あっちにあるのが理科室!でも、一年生じゃあんまり使わないかなぁ」
「そしてこれが多目的室です!」
元太、歩美、光彦の順に歩きながらハキハキして説明していった。
愛莉は楽しげに頷いたり質問したり笑ったりしていた。
「俺がきた意味あんの……お前までいるし」
「いいじゃない。新しいクラスメイトの性格とかもリサーチしておきたいしね」
コナンは呆れた顔でため息をついた。
コナンに案内をしてほしいと愛莉は頼んだはずが、なぜか別の三人に案内されてコナンは自分が来た意味を頭の中で模索していた。
「え、少年探偵団?」
愛莉はキョトンとして三人を見つめた。
三人は胸をはって、誇らしげに語った。
「今まで本当の殺人事件に出くわして事件解決したり、俺たち少年探偵団に取材がきたり……!」
「まあ、取材のほうは断ったんですけどね」
「またある時は警察から表彰されたり!!」
得意げに話す姿を愛莉は目をキラキラと輝かせて見ていた。
「でも、怪盗キッドとかの対戦じゃあ、江戸川君がよく出てるけど……」
「あぁ、それは」
元太をしかめっ面をしてコナンを軽く小突いた、
「いっつもよ、コイツが抜け駆けすんだよな!」
「いってーな、元太っ。別に抜け駆けしてるわけじゃ……」
「いつもそう言って大人たちから注目浴びてるんですよねー。大人がいる前じゃ変に可愛い子ぶっちゃったりしちゃって」
「んなっ……」
哀と愛莉はその様子を見てクスクスと笑った。
「もう一通り案内したし、教室帰ろう」
コナンははぐらかすかのように、愛莉の横をすり抜けた。
他の四人もコナンに続いて教室に向かった。
ただ愛莉だけはコナンの後姿を意味ありげな視線を向けていた。
「ねえねえ!愛莉ちゃんはどこに住んでるのー?」
「アパートだよ〜。米花町の○×ってとこで……」
下校時も愛莉は少年探偵団と共に歩いていた。
「じゃあ博士ん家から近いじゃん!」
元太は声を張り上げた。
光彦も歩美をそうだそうだと頷く。
「博士って?」
「自称天才発明家の阿笠博士です!僕たち少年探偵団のバッチも作ってくれて、このバッチ持ってたら話すことも出来ますし、発信機能もついていてコナン君のメガネから探す事も出来る優れものです!」
「へえ、天才じゃない。私もその探偵団バッチほしいなぁ」
「探偵団に入れよ〜!!そしたら博士からバッチ貰えるぜ」
「じゃあ、これから博士ん家来ればいいじゃねぇか。確か、新しいゲームが出来そうとか前に言ってたから」
コナンはそう快活に喋って、元太歩美光彦は元気よく「賛成ー!」と手を挙げた。
「ねえ、江戸川君」
「ん?」
愛莉に小声で話しかけられ、コナンは不思議に思いながらも振り向いた。
少し古びたアパートに差し掛かろうとしている時だった。
「江戸川君って確か……」
きゃー!!
突然、アパートから女性の悲鳴が聞こえた。
この悲鳴に歩いていた人達の肩はビクッと震えた。
コナンと愛莉は一緒になってアパートの悲鳴が聞こえた場所に駆け込んだ。
「優子、優子!優子ー!」
ショートカットの女性は床に倒れてる血まみれの女性を揺さぶっていた。
「触るんじゃない!」
コナンは取り乱してる女性に駆け寄ってそう言い放った。
「早く遺体から離れて……」
「警察が来る前に何も触らないでおいて。大事な証拠が無くなっては困りますので」
愛莉がいたということにコナンは今気づいた。
愛莉の落ち着いた行動に言動。
コナンはどこか不可解に感じた。