二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.21 )
- 日時: 2012/08/09 12:09
- 名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: vf.KGARd)
(File04 後編 続き)
ピアスのキャッチャー……?
コナンはそれを聞いて更に自信に満ちた顔になった。
よし、こうなったらいつもみたいに誘導して事件解決といくか……。コナンはどう誘導しようか少し考えた。
「では皆さん署の方にいくのでパトカーに」
「あ、ちょっと待っ……」
「警部さん」
コナンの横から愛莉がスッと出てきた。
「こんなにも沢山ヒントがあるのに犯人がわからないの?」
「え?」
愛莉はニコッと笑って遺体の手を指差した。
「だってこの遺体の指可笑しいじゃん!左手の親指は中にいれて右手の小指と親指は微妙に中に折れてて……もしかし数字でも表してるのかなあ?」
「あー、それはコナン君にも言われたけどたまたまそうなったって……」
「忘れたの?山本さん、手話をやっていたんだよ?手話をとおして犯人を現そうとしてるんじゃない?」
「そうか!ってわたしは手話さっぱりわからないんだが……」
その時、玄関にずっと溜まっていた少年探偵団の一人、歩美が声を張り上げた。
「ねえ!左手の親指中に折れてて、右手が親指と小指中に折れてたんでしょ?」
「そうだよ、歩美ちゃん」
「私、おばあちゃんに習ったことあるけど、左手の形は“け”で右手の形は“ま”だって教わったよ」
「ってことは、やっぱり犯人は“ま”と“け”が名前の中に入ってる……前田健斗さん!」
目暮警部は再び前田を睨む。
「ち、違いますって!それはさっきのこのぼうやが利き手の違いで違うってわかったじゃないですか!」
「いや、捜査を撹乱するためにわざと右手で……」
「もし慣れない右手でやったらこんなに綺麗に一直線の傷にはならないと思うんだけど。それに慣れない手じゃうまく出来ないよ」
コナンは口を挟む。
警部はそ、そっかと頷いて再び腕を組んだ。
「もしかしたらこの手話アルファベットなんじゃないかなって!山本さんアメリカ育ちみたいだし、アルファベットでダイイングメッセージとして残してもおかしくないんじゃなーい?」
愛莉は遺体の指の形と同じように自分の指を折り曲げた。
「左手の形はアルファベットじゃB。そして右手はM。そう、Bのつく名前がある人といえば……番田美穂さん、あなたよ」
「な、何で私が犯人呼ばわりなのよ!親友を殺すなんてできっこないって、さっき言ったじゃないの!それに刑事さんが言ったみたいにたまたまそうなっただけって考えられるじゃないの!証拠でもあるの!?」
番田に怒鳴られても愛莉はビクともせず、番田に近寄って手を見た。
「番田さん、さっき山本さんに駆け寄って血がべっとりついてるね」
「そ、そりゃ、親友が倒れてるんだもの。駆け寄って当然でしょ?」
「さっき言ったよね、番田さん。ホームズが大好きで刑事ドラマも沢山見て、犯罪学も学んでいたんでしょ?そんなにサスペンスに見入っていたんなら……。むやみに現場に入って遺体をゆさぶるなんて、そのときにあなたの髪の毛でも落ちて、見つかって、あなたに疑いがむくことぐらい……わかってたんじゃないの?」
「優子が倒れてるから、そんなの忘れちゃって……」
番田は最後のほうは自信なく答えた。
「前田さん、さっき言ってたよね。ピアスのキャッチャー見つけた?って。それって、昨日、番田さんのピアスのキャッチャーが無いのに気づいたんでしょ?」
「そうだよ。それで、少しの間探したんだけど見つからなくて……」
「そう。番田さんは山本さんを殺害してるときにキャッチャーを落としたんじゃないのかな。そして昨日前田さんと会った時にでもないことに気づき、山本さんの家に落としてきたんじゃないかと考えた。もし、誰かに最初に山本さんの死を知られてしまって、警察がきたら番田さんのキャッチャーがあることに気づき、真っ先に自分が疑われる。だから一番最初に疑われてしまうが仕方なく第一発見者の役を買って出た。さっきも言ったけど、犯罪学など勉強していた彼女なら第一発見者が先に疑われる事ぐらい知ってたはず。刑事ドラマでもよくあるからね。そして驚いたフリとして山本さんに近づき山本さんを心配しているフリをしてピアスのキャッチャーを探した……。そして恐らく見つけたんでしょうねぇ。さっき前田さんと話していましたからね。悲鳴が聞こえたあと、すぐに江戸川君と私がきたから手を洗う暇もキャッチャーも処分する暇なんてなかったから……今でもポケットの中に入ってるんじゃない?山本さんの血がついたピアスのキャッチャーがね!」
大人たちはペラペラと語る小学校一年生に呆気にとられていたが、愛莉の言うとおり、番田のポケットを探るのティッシュにくるまった血のついたキャッチャーが出てきた。
「ば、番田……お前、どうして!」
番田はひざをガクンと落として、涙を流した。
「福村君と優子が両思いだったから……。気づかなかったでしょうけど、どっからどう見ても両想いだった。私は福村君に片思いしてたけど優子なら仕方ないと思った。でも、一ヶ月前……お酒で酔った彼女はこい言ったのよ。“前田は飽きたしね。福村君なら、まあ?私の退屈しのぎにはなるかなーなんて”って……。許せなかった。二人の男をもてあそんだ……優子が!!」
こうして事件は幕を閉じた。