二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.42 )
日時: 2012/08/18 16:08
名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: vf.KGARd)

アリスの生い立ち 後編(続)


『俺もやめといたら、って促したんだが……。グウェイザーのやつ聞かなくて』

アリスはもちろん、アルフィオが自分の安全を案じてやってくれたということは充分理解できた。
だけど、一言の相談もなしに勝手にやられるのは、さすがに腹が立つ。

『アルは今どこにいるんですか?』
『日本だ』
『日本!?いつの間に!?』
『うーん、正確に言えば今は空港の中かな……。もしくは飛行機の中か』
『さっき電話に出たから……飛行機に乗る前?』
『じゃあ今は飛行機の中だろう。俺もこれから行く。アリスもついてこい』
『でも、家が……』

アリスは家の事を思い出すと、目の奥が熱くなった。
あそこには沢山の思い出があった。
叔父と叔母がつれていってくれた旅行の写真。学園祭の写真。遊んでる写真。泣いてる写真、等、等、等————。
16年という長い思い出は数時間にして灰になったことを思うと、もう喋れる状態では無くなってしまった。
キャメル捜査官はその姿を見てオロオロしてしまった。

『さ、さあ、すぐに行かないと、組織が来る』
『その組織って何なの!あんなの……ぶっ潰してくれるわ……』

しゃくりあげて泣く姿を周りの客はジロジロと見た。

『俺らだってぶっ潰したい。さあ、早く行こう』

キャメル捜査官の不慣れな促し方は、どこか笑ってしまうところがった。

こうしてアリスとキャメル捜査官は日本に渡り、キャメル捜査官はこのときFBIがかくまっていた水無怜奈の事件に向かっていった。
アリスはキャメル捜査官が渡してくれた住所を元に、自分が日本の住居に向かった。
そこのアパートの大家さんはアルフィオと知り合いらしく、家賃も少なくしてくれるという幸運にあった。

————

「これが2ヶ月前の出来事」

愛莉はそう区切って、大きくため息をついた。
未だにゲームに熱中している元太達は愛莉なんてそっちのけで、ヒソヒソと気を使うことなく愛莉は喋れた。