二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.71 )
- 日時: 2012/09/05 18:12
- 名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: ZnME3JLW)
File14 一つの可能性を持って
「まあ普通に考えて、やつらがパスワードなんかつけずに無防備な状態にするとか有り得ないもんな」
自虐的なコナンのコメントに愛莉はただ力なく笑うしかなった。
幾度も組織の尻尾を見つけては掴む前に、その尻尾は闇へ吸い込まれてしまう。
残るのはすぐ消えてしまう足跡。
今回も尻尾を掴む前に逃げられてしまった。
特にコナンは落胆としていた。
やつらは神出鬼没。つかめる証拠は徹底的に掴まないと、またいつ逃げられるか現れるかわかったもんじゃない。
それをコナンが一番痛感していた。
「なんか、私があの廃墟の建物から逃亡した何日か後にその建物黒コゲになったらしいね。まあコンクリートで出来てるから全部は燃えなかったみたいだけど」
愛莉の一言に、コナンは何日か前に放火事件があったのを思い出した。
黒コゲの建物から得られる証拠は少ない。
しかし、コナンは藁にも縋る思いで、その放火場所の住所を調べた。
もちろんすぐに住所はわかった。
「博士、もし大丈夫なら埼玉県の○×市の△□通りに行ってくんねえか?もしかしたら、何か証拠が掴めるかも……」
「ワ、ワシは構わんが……」
「無理よ。きっと見つけられない。きっと警察が色々調べまわった跡なんだから。証拠らしきものは全て警察が持ち帰る。もう無理でしょうね」
「んなの、わかんねぇだろ?日本の警察はやつ等の事知らないんだ。きっと俺とか灰原にわかるような証拠が……」
コナンの自信のない反論に灰原はフンと鼻で笑った。
「そんなに行きたいなら行けばいいじゃない?もし見つけれなかったらさっさと帰ってきて、次の機会をじっくり息を潜めて待ってることね。じゃ、私下にいるから」
コナンは完全に打ちのめされてしまい、地下室に再び戻っていく哀の後姿を眺めるしか出来なかった。
「どうする、新一。行くか?まあ、哀君の言うとおりだと思うが……」
新一は博士の言葉を無視し、深く考え込んでいた。
その時、コナンの肩を愛莉が元気付けるように手を置いた。
「きっと、見つかるよ。私も行く。もしかしたら私の記憶の中で手掛かりがあって、現場に行けば事細かく思い出せるかも」
「……サンキュー、安藤。じゃ、博士行こう」
「わかった」
博士とコナン一行は早速車に乗り込み、放火場所に向かった。