二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 名探偵コナン —最後の銀弾(シルバーブレッド)— ( No.91 )
日時: 2012/10/02 11:33
名前: 未熟な探偵シャーリー ◆CwIDAY6e/I (ID: YxL1EeSq)
参照: http://お待たせしました。西の高校生探偵登場です。

File19 西の探偵現る


FBIからの連絡はないまま、本格的な夏を迎えた。
大きな事件も起きるわけでもなく平凡に過ごしていたある夏の日。
学校が終わってコナンは愛莉達と別れて探偵事務所に帰った。

「ただいまー」
「おう!工藤!」

ゲッこの声は!をコナンは目を上げるとそこには色黒の少年が立っていた。
その少年はニンマリと笑みを浮かべていた。

「は、服部!なんでこ———」

そう言い掛けて、周りの視線に気づき咳払いをしてから、もう一度ゆっくり尋ねた。

「へ、平次兄ちゃん、どうしてここにいるの?」
「学校終わってさっさと飛行機で来たんやー。なんや、聞いてなかったんか?」
「ごめんね、コナン君。昨日言おうと思ってたんだけどすっかり忘れちゃって……」

蘭は苦笑いをして謝った。
すると、平次の後ろから幼馴染の和葉が出てきた。

「平次!あんた、またコナン君のこと工藤って言うたやん!この子は工藤君やのーて江戸川コナン君や!いっつも同じ間違いばっかりしよって……」
「お、おー。ほ、ほら、コイツちっこいけどなんか工藤に似とる気がしてのー」

平次はしどろもどろになって弁解した。

「で、お前は何しに東京に来たんだよ?いっつもろくでもない事件持ってくるじゃねぇか……」

デスクで新聞に目を通しながら、毛利小五郎はそう言った。

「ちゃうちゃう。東京に来たんはある懸賞に当たって、ついでにここに寄ったんや」

平次はポケットからあるものを取り出した。

「ウチのオカンがな、この懸賞に勝手に応募しよってのー」

それを小五郎のデスクにおいた。
小五郎、蘭、コナンはそれを見ようと寄ってきた。

「んー、なになに……『この夏に豪華なホテルでホラー&ミステリーに挑戦しませんか。そう、1942年に起きたホテル連続殺人事件をそのまま再現!当時は迷宮入りになったものの、ここで本格謎解きで事件を解決しましょう。探偵はあなたです。抽選で10名様のご招待となります。夕食、朝食出ます。付添い人は応募者本人含め5名様まで。』……全く物好きもいるもんだな〜」

読み上げた小五郎は雑にその紙を置いた。

「丁度70年前の事件や……。時々テレビでその特集やってるときあるから知ってるとは思うねんけど……」
「それ知ってる!」

蘭はパンと手を叩いた。

「70年前、豪華なホテルで一夜にして5人もの死体が出たっていうやつでしょ?」

少々おびえながらそう説明した。

「ほんま気色悪い企画やなぁ〜。なぁ蘭ちゃん」
「うん……」
「まぁ、この企画に協力してくれるホテルが東京にあって、付き添い5人までってあるんやから……このちっこい坊主も行きたがるやろなー思て。なあ?」

コナンはキラキラした顔でしきりに頷いた。
ここ最近全く事件に出くわさず、もちろんそれはそれで平和でいいのだが、探偵が本業のコナンにとって物足りない日々を過ごしていて、この話は多少なりとも楽しめるだろうと思っていた。

「どや?あんたらも来るか?」
「こ、コナン君が行くなら……」
「俺は遠慮する。そんなくだらない企画に付き合っていられるほど暇じゃねぇんだ」
「一応ほんまに豪華なホテルらしいで?最近出来たっちゅー……雪花って名前やったかな」
「あ!確かそこのホテルってヨーコちゃんがプロデュースした食器とか色々あるところだよね!」

出し抜けに蘭がそう言うと、“ヨーコちゃん”というキーワードで小五郎は椅子から飛び跳ねた。

「ヨーコちゃんがプロデュースぅぅぅぅぅ!?ならば行かなければ……!!」

コナン達4人は態度がうってかわった小五郎を見て呆れて半笑いを浮かべていた。