二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.130 )
日時: 2013/01/02 20:23
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: 4HUso7p7)
参照: 第五篇/Fight after Supper (虚像は実像を越え得る)

 「気にするこたねえ、むしろ見殺しにして後からクレイジーって分かってたら、それこそマスターが血吐いてぶっ倒れるだろうよ。……ケッ! そこの頼りない神がもっと冷徹なら、コトはもっと早くに終わってたってのに。あのアホがどうしてもクレイジーを殺せねえから、オレたちは何時まで経っても一進一退なんだ!」
 コーヒーを飲みすぎてテンションが上がってきたのか、テーブルに手を叩きつけながら言うファルコに、一見は冷静そうに見えるファルコンが顔を険しくしながら食って掛かる。
 「そんなにマスターを悪く言わなくても良いんじゃないか? 兄弟姉妹を全員殺されたマスターに唯一残った肉親がクレイジーなんだ。幾ら全員を殺した奴だといっても、情の少しくらいは沸くだろう」
 「何だって殺人犯に情を感じるんだ!? どんな博愛主義者でもンな馬鹿げた話在り得るかよッ!」
 「マスターは祝福の美学を掌る神だろう? どんな存在とても赦せる者じゃないのか」
 「それにしたって馬鹿馬鹿しい話だろーがボケがッ! マスターだって此処に居りゃ一人の人間と変わりゃしねーじゃねえか! じゃあ何だ、オメーは殺人犯を赦せるってのかッ!? それと同じことだろーがよッ!」
 どんどん激しくなる論調。次第にずれてくる論点。少しずつ逃げていくメンバー達。
 ——二人とも酔ってるぞ?
 私も退却したほうが良さそうだ。
 怒号のぶつけ合いになってきた二人の様子を見ながら、私は他のメンバーと共に、そっとリビングを抜け出したのであった。ついでに、子供勢が居た辺りに散らばっていたお菓子を回収するのも忘れてはいない。
 「おい、此処から出ろ」
 私達から一番近い窓を、外で葉巻を嗜(たしな)んでいた伝説の傭兵——スネークが、事態を察して開けておいてくれたらしい。メンバーはそこから中の二人を刺激しないようにそっと抜け出し、私もそれに続く。最後にソファで朦朧としていたマスターを助け出したフォックスが庭へと降り、窓を閉めたその瞬間。
 「ファルコォン、パァァァアンチッ!!」
 高らかな声、木材の破砕される轟音が響き渡った。続いてファルコの低くドスの利いた叫び声が聞こえて、ブラスターを撃つ軽く音声、ガラスや瀬戸物の割れる音が、夜の静けさを突き破り響く。
 生活空間であるハズのリビングは今、二人だけの戦場になっていた。


To be continued...

マスターがあと少し冷酷だったら、この世界はもっと早く平和になっていたかもしれない。
しかし、それで本当に平和になるのかどうかは、誰も分からない。
血が熱いせいで喧嘩になってしまったものの、両者とも言っていることはそれなりに正論です。

ちなみに、此処のスネークは禁煙に失敗したと言う裏設定。