二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第零章/The Strongest Fighter? ( No.14 )
- 日時: 2012/09/05 00:32
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: x40/.lqv)
- 参照: 第五篇/She is the Strongest Fighter (半径50cmの英雄)
間髪容れず、マスターの低い声が覆いかぶさる。
「これで、彼女のことは納得してもらえたかな。では、次の疑問。何故彼女を呼んだのか」
それは、きっと、誰もが思っていたことだろう。
私だって疑問だった。私はCQCも射撃も出来ず、無論魔法だって使えない、ひたすらゲームを愛するだけの人間なのだ。まかり間違っても戦闘力にならない私を、何故マスターは呼んだのだろう。
その答えは、彼のみぞ知っていた。そして今、皆も知る。
「——彼女は、ある意味最強のファイターだからだ」
世界が、凍った。
「そう、なのか? さ、サ……ササミとやら」
「いやあらゆる方面で違いますし」
真面目に間違えたアイクには悪いが、自分が一番びっくりしている。
この私が最強のファイターだって? ンなバカな。どんなバグがこの世に発生したって画板に描いた餅は取り出せないし、どんなチートを使っても一般市民がリンクみたいな勇者になることはないのだ。それと同じ、どんな奇跡があったって、私が最高の戦士になることなど断じて無い。もっと上手い冗談はこの世にゴマンとある。
「ご冗談も程ほどに、マスター」
引き合いに出したばかりの勇者が笑い混じりの声を上げた。が、マスターの顔は硬くこわばったまま。
「今の私にジョークが言えるだけの余裕があるように見えるか?」
ひと睨み。
途端、凍りついた部屋の温度が更に下がる。
——リンクを睨むスミレ色の眼には、明らかな殺意が。
睨むだけで魔王の一人や二人はどうにか出来そうな、極上の殺気を込めた瞳の焦点を自分の手元に据えなおして、マスターは溜息交じりに声を張り上げた。言葉の端々から、苦悩が見える。
「私は真面目だ、大真面目の糞真面目だ。考えてみるがいい、彼女は元々私達と言うキャラクターを操る世界にいた人間だ。『こちら』に居る者どもなど、所詮は彼女の掌で弄べる存在に過ぎん。そして小夜子、君は我々を操るための道具を、持ってきている」
To be continued...
小夜子が呼ばれた理由、此処に開示! ただし理由としては三分の一くらいしか開かされてません。
マスター以外はアイクとリンクしかしゃべってないと言う中々な状況。だがそんなの関係ねえ。