二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.39 )
- 日時: 2012/09/24 22:32
- 名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
- 参照: 第二篇/After a Calm comes a Storm (嵐の前の静けさ)
天板を鍋敷きの上に置き、ミトンを脱いで、ヨッシーが心配そうに近づいてくる。リンクはと言うと、触らぬ神に祟りなしとでも言いたいのか、見てみぬフリ。おい、薄情者!
「大丈夫ですか、ミケーレさん」
ほほう、本名はミケーレと言うのか。初耳だ。本当はこんな私事に関心するどころじゃないんだが。
閑話休題。
ドクターは黙って首を横に振ると、開けたサッシのところに腰を下ろし、肩に掛けた大きな鞄から私のものと同じ受信機を取り出して、猛然と何か打ち込み始めた。六行分ほど何かを書き綴り、エンターを押して送信完了。疲れ切った溜息をつく。それから一つ深呼吸して、立ち上がった。
「っつ」
喉の奥で声を噛み殺し、右足を引き摺って、ドクターはリビングから消えていった。
「あぅう、待ってください、ミケーレさぁん」
きっと心配からだろう、慌てて追おうとするヨッシーを、私は腕を掴んで引き止める。まだメンバーとは会って数時間、浅い仲だがそれでも分かるのだ。
彼があんな顔をするのは、尋常じゃないときなんだと。もっと分かりやすい指標を使うなら、ネスがあのまとわり付いて離れない子供勢を、残らず退却させるほどの異常。
「そうですよね、行かないほうがいいですよねぇ。——それにしても、皆さんどうしたのでしょう」
ヨッシーの声に、私は思わずそっちを見ていた。大きな瞳の中に、どこか遠くを見つめる色。
「今くらいの時期は、あの一番大きな木のてっぺんに太陽が乗っかるころ皆さん揃うはずなのですぅ。でも、今日はもうてっぺんからずいぶん昇ってしまいましたのに、だれも来ていないのです……。あの用心深くて用意周到なミケーレさんがケガして帰ってくるのといい、誰も来ないのといい、何があったのでしょう?」
あああ、何処まで鈍いんだ、スーパードラゴンよ。
「ヤバいことの前触れって以外、選択肢ないと思うの、それ」
「へあっ!? じゃ、じゃあ早くマスターハンドさんに」
知らせないと、と言いかけたところを遮って、けたたましいベル音が鳴り響いた。出所は私の着ているベストのポケットと、テーブルの上。受信機だ。
私とヨッシーとで顔を見合わせ、私の持っている受信機をその場で開く。
To be continued...
ヨッシーはとことんまで鈍い子。