二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【スマブラX小説】The Promise ( No.52 )
日時: 2012/10/01 07:03
名前: SHAKUSYA ◆fnwGhcGHos (ID: ptFz04.o)
参照: 第三篇/I'm a not Fighter...yet (ヒヨッ子は見てるだけ。まだ。)

 「ぅうう……ねえどゆこと、大王」
 話を振ったのは、よりにもよってクッパ大王。当の本人は、へし折れて足元に転がる甲羅のトゲを忌々しげに見つめていたが、やがて重たそうに口を開いた。低くしゃがれた、しかもでかい声が響く。
 「違う世界に居るとはこれすなわち、自分の常識が通じぬと言うこと。そしてそれを修正することすなわち、自分の常識も他方の常識も等しく通じるようにすると言うこと。つまり、キサマたちの言葉はキサマたちにか通じんが、翻訳機があるとワガハイらにも通じるようになる。これと同じことなのだ」
 「えーと……」
 私は理解出来るが、ちょっとピチューには難しいかもしれないぞ——とか思っていたら、頭をガリガリ掻きながら、クッパは言葉を簡潔に換えた。それはそれは簡潔に。
 「キサマ、この街では木の葉で買い物が出来るのか? ココに来たとき、キサマたち何を渡された」
 「何って、お金……あぁ〜あ」
 今のは分かりやすかったぞ、大王! そしてクッパが意外に気前いい奴だことが判明した。あと、マスターが別にヘタレだから戦いに出てこなかったのではないと言うことも。
 フンッ、とやや不満げに鼻を鳴らし、ドスドス足音を立てて、大王の後姿は窓の外に出て行く。思えば大黒柱が半ばへしおれるほどの激戦、マルス王子は倒れ込むほどの怪我をしたと言うのに、クッパはほぼ無傷に近い。天然の盾を持っている奴はやっぱり硬いのだった。
 「まっすー、わかりにく」
 「それはすまなかった。そう言う話し方しか出来ないものでな」
 ピチューのやや冷たい言葉に対し、私が掻き集めた瓦礫の山を囲むように円を引きながら、マスターの疲れたような声が半ば上の空で返す。ぶー、とか、つまんなーい、と口を尖らすピチューに少しだけ苦笑。すぐ表情を引き締めてチョークを握りなおすと、大きく息を吐きながら線を引く作業に戻っていった。

 「お腹すいた……」
 今度こそ、きっぱりとリビングに響き渡る、カービィのしぼんだ声。
 それとほぼ同時に、全員の腹に潜むワガママの虫が、一斉に鳴き始めたのであった。

To be cotinued...

「お腹減った」で始まり「お腹空いた」で終わる、マスターのちょっとした活躍話。
これから先はフルボッコです。
……あ、後で活躍するんですよ、後で!

そして、ココでクッパ大王初登場。
ワガママ放題の子供勢をあしらえる、数少ないファイターの一人だったりします。